機能部材研究所 - 磁性材料研究部
独創的な発想で、未来をつくる
これからの高性能モーターを私たちの磁石で
機能部材研究所 - 磁性材料研究部では、モーターの小型化、高出力化、高効率化に貢献する高性能永久磁石の研究開発を行っています。1982年に世界最高性能希土類磁石「NEOMAX®」を開発した技術ノウハウを継承し、2006年に発足。生産現場と連携した研究開発を進めるべく、2018年に熊谷地区に移転しました。
粉末冶金をはじめとした材料技術だけでなく、磁気回路設計技術、そして分析・解析技術なども保有するなど、永久磁石開発のパイオニアとしての役割を果たしています。
持続的社会の実現をめざして
永久磁石は、モーターの性能を左右する重要基幹部品として、自動車、産業インフラ、エレクトロニクスといった幅広い分野で使われています。
近年、CO2排出規制や燃費規制の強化など環境意識の高まりから、世界各国でxEV*の生産台数は急激に拡大する見込みです。旺盛な需要に応えるためには磁石の生産能力拡充も必要ですが、それ以上に省資源化に向けた取り組みが重要になります。
xEVなど自動車用途で使用されるネオジム磁石では、要求される耐熱性を確保するために、Dy(ジスプロシウム)やTb(テルビウム)等の重希土類元素が使用されてきました。しかし、重希土類元素は世界的にも産出量が限られており、非常に貴重な資源です。磁性材料研究部では、これらの課題を解決するため、省重希土類磁石、重希土類フリー磁石の研究開発に注力しています。また、フェライト磁石においても、高性能材をいち早く開発・実用化してきた経験を活かした研究開発を推進しています。さらに、日立金属のコーポレート研究所「グローバル技術革新センター(Global Research & Innovative Technology center:GRIT)」と連携して、次世代磁石の研究開発に取り組んでいます。
- 2016年10月12日
- 平成28年度「資源循環技術・システム表彰」において日立金属が「レアメタルリサイクル賞」を受賞
- 2014年3月12日
- 世界初希土類磁石スラッジの環境親和型リサイクル方法を開発
- 2008年6月26日
- 高性能ネオジム系希土類焼結磁石の新製法を開発
これからも磁性材料研究部は、ネオジム磁石やフェライト磁石に限らず、独創的な発想で、モーターのさらなる高性能化に欠かせない磁石の実現をめざします。
* 電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)を指しています。