YSSヤスキハガネは長年培ってきた「ものづくりの力」を礎に、高い品質の製品を作り続けてきました。
Isotropy鋼は、一般鋼材の欠点であったタテ・ヨコ方向の機械的性質の異方性を、溶解技術と鍛造技術によって低減し等方性を持たせた工具鋼として具現化してきました。
この技術思想は、YSSヤスキハガネのすべての鋼づくりに生かされ、鋼の特性安定化や高寿命化に大きく貢献しています。
私たちのIsotropy工具鋼は、今日まで様々なお客様のニーズにお応えしてきました。
しかし今、グローバルマーケットは絶えず変化し続けており、さらなる品質の安定化や一層の高寿命化に向けた性能向上が求められています。
そのなかでIsotropyの技術思想が、お客様の声によって新たな深化を遂げ、「お客様のニーズに対する多様で革新的な提案」として、これまで以上に幅広い分野でより高い付加価値を実現できる製品を提供していきます。
Computer aided engineering for Materials And Processes
YSSヤスキハガネは、材料と製造プロセスの開発を支援するCAE(計算機支援工学:Computer Aided Engineering)によって、精緻な『理論』と現場の『ものづくり』の橋渡しをめざしています。
CMAPはCAEを駆使し、理論に基づき数値モデルを作成し、生産の現場で起きることをコンピュータによって再現。
まだ見えない現象、測定できない物理量を可視化しながら最適設計の提案を可能にし、お客様の課題解決をサポートします。
今や、ものづくりの現場において解析・シミュレーションの技術は不可欠なものとなっています。
CMAPは、CAEによって金型の寿命予測、熱処理変寸予測、材料特性予測、成分設計などのプロセスをあらかじめコンピュータ上でシミュレートすることで、少ない実験工数で最適化。
設計と解析・シミュレーションを高次元で並行して実施することで開発の効率化を図ります。
Tribecコーティングは、各種金型に必要とされる高い耐摩耗性、優れた潤滑性・耐熱性をミクロンレベルの技術に凝縮した、独自のコーティング(表面改質技術)です。
複数の層を融合させ多彩な機能を実現することで様々な最適化を図り金型の寿命を向上し、さらにその可能性を最大限に引き出します。
金型の損耗形態は用途によって多岐にわたり、必要とされる機能も多様化しています。
Tribecは、金型の損耗調査からそのメカニズムの推察、 そして仮説の検証までのプロセスを通して金型本来の機能を引き出します。
特に、ものづくりの最終工程となる金型や治工具の表面改質は、特性劣化や寸法の変化は許されないため、Tribecでは金型表面の磨き作業や低温での被覆条件など、精緻で匠の技が求められています。
部品の成膜技術は今、摩擦力低減へのニーズの高まりとともに、さらにプラスアルファの機能が求められています。
私たちは、従来のDLC(Diamond Like Carbon)コーティング技術を活用し、硬さと密着性の向上を追求。
独自の成膜プロセスによって皮膜界面の不純物を極めて少ない量に抑えることで高い密着性を確保しました。
その結果、L-Frexは『信頼という性能』にたどり着いたのです。
そして今、L-Frexは自動車部品のみならず様々な機械部品へ適用が進み、摩擦によるエネルギーロスの削減に役立っています。
DLCはその成膜条件で硬さや構造が大きく変化するため、用途や使用環境に合わせ、膜特性の最適化が非常に重要となります。
私たちは金型分野だけではなく、自動車部品をはじめとする産業機器分野でも長年にわたって、これらの部品材料を供給してきました。
そうした実績から得たノウハウを活用し、独自のDLCコーティングも供給可能です。
信頼に『柔軟性』という付加価値を加え、新たな可能性をもったDLCコーティング。
それが『L-Frex』なのです。