品質保証活動
品質保証活動について
当社は、2020年4月27日に公表した検査成績書への不適切な数値の記載等(以下、品質保証問題)を受け、二度とこのような問題を起こさないよう再発防止策を最優先課題とし、全力を挙げてその実行に取り組んでおります。また、品質は当社グループが中長期的に企業価値を高め、持続的に成長していくための重要な経営課題であるという認識のもと、当社グループの6つのマテリアリティの1つとして「品質をストロングポイントとする」と掲げております。お客さまに高い品質を安定してご提供するために、当社グループが一体となって、品質保証問題の再発防止策を徹底的に実行し、品質を他社と差別化された当社グループの強みとできるよう取り組みを進めてまいります。
取締役会の諮問機関として品質コンプライアンス委員会を設置
当社は、2021年4月1日付で、外部専門家2名及び当社最高品質責任者(CQO(Chief Quality Officer))で構成される品質コンプライアンス委員会を取締役会の諮問機関として設置いたしました。当該委員会は、設置以降、2022年3月31日までに26回開催され、当該委員会の下で、再発防止策の実施及び効果の検証等を実施しております。
製品の品質に関する不適切行為の再発防止策の進捗状況
品質コンプライアンス委員会の指示・監督のもと、再発防止推進プロジェクトとして、「技術課題解決」「リスクマネジメント」「品質保証課題解決」の3つのワーキンググループ(WG)を立ち上げ、再発防止策を実行しています。
【再発防止策推進プロジェクト体制】
具体的施策実施状況
全社QMS(品質マネジメントシステム)の見直し品質保証課題解決WG
2021年1月に公表した品質保証問題に対する調査報告書において、「品質保証関連ポリシーの整備状況が不十分であり、かつ、整備されていたポリシーについても、十分に機能していないものが多数あった」という指摘がありました。その対策の一つとして、全社QMS(品質マネジメントシステム)の整備に取り組み、品質保証問題を二度と繰り返さぬよう、QMSの基本となる品質保証に関わる全社細則の整備をいたしました。
検査システムのセキュア化品質保証課題解決WG
検査システムのセキュア化とは、検査工程で測定した値を記録用紙に手書きしたり、パソコンに入力したりと人が介在するのではなく、計測機器から自動的に測定値をパソコンに取り込み、そのデータを用いて自動的に製品の合否を判定し、お客さまに提出する成績書などを自動的に作成するまでの仕組みを構築することです。これにより、測定値の書き換えを防止するとともに、測定値の書き間違いや打ち間違いなどの作業ミスも防げます。また、測定値を記録紙に記載したり、パソコンに入力したりする必要がなくなるため、検査作業の効率も向上できます。2020年度から「書き換えできない化」を順次完了させておりますが、検査工程の社員の意見を取り入れて継続的に改善を重ねるなどし、さらに強固なセキュア化を実現していきます。
【堅さ測定室セキュア化事例(安来工場)】
品質コンプライアンス教育リスクマネジメントWG
当社グループでは、毎年4月を「品質コンプライアンス強化月間」、4月27日を「品質コンプライアンスの日」とし、全国的な取り組みである11月の「品質月間」と併せて、改めて全社員が品質活動に向き合う機会としております。2021年度は、4月と10月(一部11月)に品質コンプライアンス教育とアンケートを行いました。教育内容について、4月と10月ともに回答者の99%以上の社員が理解できたと回答をし効果を確認しました。今後も、教育内容の改善を続け、品質コンプライアンス意識を希薄化させないよう重要な内容を繰り返し教育していきます。
4M正常化活動技術課題解決WG
4M正常化活動は、Man(人)、Machine(設備)、Materia(材料)、Method(方法)のバラツキに「気づき」、「最小化し」、「制御する」日々の活動であり、当社グループでは特に重要な品質管理活動と位置付けています。4M正常化活動では、工程内のちょっとした“気づき”を集め、その小さな気づきへの改善を積み重ねていくことを大事にしています。この小さな改善の継続によって、大きな改善効果につなげていきます。
品質重視に向けた意識改革と行動の変革リスクマネジメントWG
品質コンプライアンスに関する社員の理解を高め、変革の実効性を確保するために、CEOやCQOをはじめとする経営層による品質コンプライアンスに関するメッセージ発信や品質に係るタウンホールミーティングを継続的に実施しております。併せて、2021年度から、管理職の人事評価において「至誠(インテグリティ、誠実さ、正直さ)」を評価項目に加える等の取組みも行っております。
International QA Meeting 開催品質保証課題解決WG
2021年11月17日・18日に世界各地にあるグループ会社の品質保証責任者および国内の品質保証に関わる社員のあわせて130名超が出席して、当社グループとして初めてのInternational QA Meetingを開催しました。会議は「コミュニケーションの活性化」「品質保証・品質管理に関する情報・成功事例の共有化」「グローバルで一体感のあるQMS体制構築のための議論」を目的として、3つのブロックに分けて実施しました。全社品質活動理念の共有に始まり、代表8拠点の品質改善事例やQMS強化事例発表と質疑応答を行いました。2022年度以降は年2回の定期開催とし、グローバルな品質対話の場としてInternational QA Meetingを開催し、当社グループ全体の品質活動を活性化していきます。