MAプラストハード

超耐食・耐摩耗スクリュー・シリンダー材料
MAプラストハードS(スクリュー用丸棒)
MAプラストハードB-2(シリンダー、スクリュー用材料)
※プラストハードは日立金属株式会社の登録商標です。

特長

MAプラストハードは超耐食・耐摩耗合金の利点を一つに兼ね備えた合金で、フッ素樹脂をはじめ、多種のプラスチック、またはゴムなどの押出機・射出成形機のシリンダー・スクリューにご利用戴いております。本合金は、硬度を付与したNi基耐食合金であり、かつてフッ素樹脂には、MA276またはMA-B2などが使用されて好評を得ておりましたが、硬度の点で柔らかく、または強度の点で不足がありました。本合金でこれらのウィークポイントを改善、これら合金と同等の耐食性を有しながら硬度をビシライトなみのHRC硬度25~50(ショアー硬度38~67)を付与することにより耐摩耗性を大幅に向上させております。

機械的特性

MAプラストハードの高強度による利点

本材料は鍛圧により製造されており、シリンダー材(MAプラストハードB-2)、スクリュー材(MAプラストハードS、B-2)ともSCM4種鋼(調質済)の5~8割増の強度を有し、しかも伸び7~20%を保持していることにより、苛酷な設計が可能であり、熱衝撃、機械的衝撃にも十分耐え、欠けることがありません。また溶接も可能ですので施工例の図が示すように完全に汚れ防止が出来ます。

  引張り強さ
(N/mm2)
耐力
(N/mm2)
伸び
(%)
熱膨張係数
(℃)
熱伝導率
(W/m・
K)
捻り強度
(N/mm2)
衝撃値(J)
シャル
ピーV)
MAプラスト
ハードS
1363 1098 26 12.4X10-6 9.4 834 127
MAプラスト
ハードB-
2
1237 782 25 11.5X10-6 11.3 981 58

MAプラストハードの施工例(ライナー挿入方式)

切削条件・バイトの形状

切削加工には弊社のダイヤチタニットHTi10 (JISK10)、またはHTi05T(JISK01)などの材種を使用してください。特に、施削においてはU615(コーテッド)が高性能を発揮しております。

バイトの形状

形状

棒・鍛造品の製造が可能です。

耐食性

耐食性

  MAプラストハードS MAプラストハードB-2 窒化鋼 Ni-Co-Cr-B
50%塩酸(*36%塩酸) 0.05mm/年 0.08mm/年* 13mm/年 0.4mm/年
50%硫酸 0.003mm/年 0.05mm/年 3mm/年 0.2mm/年
10%フッ化水素酸
10%塩酸
0.15mm/年 0.46mm/年 6mm/年 0.2mm/年

硬度

硬度 MAプラスト
ハードS
MAプラスト
ハードB-2
Ni-Co-Cr-B Ni-Cr-Mo ビシライト
No.12
ロックウェルC硬度 40~45 25~35 41~48 (18) 47
(ショアー換算) 53~59 38~49 54~64 30 63