MA-B2

特長

MA-B2は優れた耐塩酸性・耐硫酸性があります。MA-B2はすべての濃度のおよび沸点までのあらゆる温度の塩酸を扱う設備に特に適しています。また、塩化水素ガス、硫酸、酢酸、りん酸にも耐食性を持っています。ただし、MA-B2は、ある程度の量の第二鉄塩や第二銅塩が存在する環境では、腐食が起こる場合ありますのでお勧め出来ません。
例えば塩酸が鉄や銅に接触すると第二鉄塩や第二銅塩が生成する可能性がありますのでMA-B2が塩酸を含むプロセスの中で、鉄管や銅管と連結して使用される場合、MA-B2が早期に腐食損傷される恐れが有ります。 MA-B2はMA-Bの改良合金で、MA-Bと同様に優れた耐食性をもつとともに特にナイフラインアタックと熱影響部に対する耐食性が改良されています。MA-B2は溶接熱影響部の結晶粒界に炭化物が析出するのを防ぐ為、多くの化学プロセスに、溶接したままの状態で使用出来ます。

耐高温雰囲気性

MA-B2は538～870℃の温度範囲にさらされますと延性が失われますので、この温度範囲での加工および使用は避ける必要があります。MA-B2は、空気のような酸化性ガス中では538℃まで、また、還元性ガスや真空中では870℃以上の高い温度下でも使用出来ます。

機械加工性

MA-B2は、MA-Bの改良合金で、初期に問題であった中間温度域の機械的伸び減少傾向を大幅に改善した合金です。

形状

板、鍛造品、棒、線、管、溶接線など各種形状の製造が可能です。

規格

MA-B2は下記規格に該当します。

ASTM：UNS No.N10665

ASME：UNS No.N010665

JIS：NW0665

耐食性

腐食データ

下記データはビーカーテストによる一例であり、最大あるいは最小値を保証するものではありません。
個々の目的に対する材質の選定には実機試験が必要になります。