2016年ニュースリリース
日立金属株式会社
コーポレート研究所の開設について
日立金属株式会社(以下、当社)は、持続的成長と社会貢献に資する中長期の先端材料研究開発テーマを推進することを目的として、2017年4月にコーポレート研究所を開設します。また、2018年4月には埼玉県熊谷市に新建屋を建設し、その機能を集約する計画です。新建屋には、コーポレート研究所のほか、生産システム研究所と磁性材料研究所も同床化し、先端材料技術とプロセス技術を融合した研究開発を推進する体制を整えます。さらに、海外にも人財を配置するとともに、国内外の研究機関との連携を強化し、グローバルな研究開発を推進していきます。
当社は、社会インフラ・自動車・エレクトロニクスを中心に、環境親和製品の開発など、先端材料技術をいかして社会の持続的発展に貢献する事業を展開しています。また、近年、事業領域がグローバルに急拡大しており、海外売上高比率は56%(2015年度実績)を占めるまでとなっています。
今後もグローバル競争において、収益率向上を伴う事業拡大を実現することをめざしており、科学技術や市場の中長期的動向を見据えた材料・プロセスの研究開発が、ますます重要になっています。また、グローバル事業の拡大を支援する研究開発機能を充実する必要性が増してきています。
こうしたなか当社は、2018年度中期経営計画において、「真の開発型企業」をめざし「研究開発の改革」を強力に推進しています。今回、最初のステップとして、国内で中長期テーマに取り組むコーポレート研究所を設置するものです。コーポレート研究所は、材料技術・製品における脅威と機会の両面を視野に入れた中長期研究テーマに注力し、当社の次世代を担う新事業の創生を推進していきます。また、オープンイノベーションを積極的に推進し、迅速かつ効率的に研究開発の成果を社会に提供することをめざします。加えて、研究開発のグローバル展開の推進組織として、海外研究機関との開発ネットワークの強化を推進するとともに、欧米に研究開発拠点を設置する検討を進めます。
今後とも当社は、科学技術の進歩と社会の潮流をにらみ、中長期の視点をもって先端材料研究開発を推進することにより、未来社会の発展に貢献していきます。
1.コーポレート研究所の概要
- (1) 注力分野
- ① 脅威・機会を視野に入れた新事業創生
- ② 複合化素材
- ③ 社会インフラ向け材料・部品(自動車、鉄道、航空機・エネルギー)
- (2) 人員数:グローバルで約250名(2025年予定、同床組織含む。)
- (3) 新建屋
- ① 所在地:埼玉県熊谷市(熊谷工場敷地内)
- ② 竣工時期:2018年3月
2.コーポレート研究所のコンセプト
- (1) 先端材料・プロセスで持続的成長をする未来を拓く MI*やAIなどの手法を取り入れ、最先端材料・プロセスで世界をリードします。また、新建屋には、社外の研究機関との協業スペースやオープンラボを設置しオープンイノベーションを促進するとともに、社外の著名研究者を招いた講演会や社内発表会等の機会を多く設け、活発な議論による最先端技術の開発を実現します。
* MI:Materials Informatics 計算機科学と物質・材料の物理的・化学的性質に関する多様で膨大なデータを駆使して、物質・材料科学の諸問題を解決するための科学的手法
- (2) 人財の成長を育む 実験室と執務エリアを共棲可能な配置にし、研究開発の効率向上を図るとともに、人的交流を促進します。また、オープンな場で優秀な技術者同士の交流や議論を重視することにより、若手研究者の論理性を鍛え、成長を育みます。
- (3) 日立金属のテクノロジーベース 「真の開発型企業」をめざす当社の技術を象徴する場とします。当社製品の展示ゾーンも設置し、お客様との対話を深めていきます。また、国内外研究機関との開発ネットワークを強化し、当社研究開発のグローバル展開を推進します。
以 上
【報道機関からのお問い合わせ】 日立金属株式会社 コミュニケーション部 TEL 03-6774-3077
<参考>【脅威・機会を視野に入れた中長期テーマ(例)】
現行製品 | 脅威・機会を想定した開発テーマ | |
金属材料 | 金型材料 | 積層造形 |
航空機・エネルギー(超耐熱鋼) | 複合材料 | |
磁性材料 | 希土類磁石 | 新磁石 |
機能材料 | 鋳鉄 | 複合材料・マルチマテリアル |
電線材料 | 銅線 | アルミ系導体・複合導体 |