2014年ニュースリリース

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NEOMAX エンジニアリング株式会社

超薄型化と高精度化を両立した新方式トナーセンサーを開発

NEOMAX エンジニアリング株式会社(本社:群馬県高崎市、社長:植村 典夫、以下 「NXE」)は、このたび、平面コイルと独自の新しい検出方式を用いることで超薄型化と高精度化を両立した超薄型高精度トナーセンサーを開発しましたので、お知らせします。複写機やプリンターのさらなる小型化、高画質化に貢献いたします。

1.背景

 NXE では、各種磁石応用製品で培った技術を活かし、差動トランス方式*1 のトナーセンサー*2 を製造・販売しています。安定した品質が高く評価され、多くのお客様にご採用いただいています。
 近年、複写機やプリンターなどの印刷機器の小型化に伴い、搭載部品であるトナーセンサーの小型・薄型化が求められています。また、デジタルカメラやスマートフォンのカメラ機能の高画質化に伴い、印刷機器の印刷画質も高画質化が進展しており、印刷画質を左右するトナーセンサーの検知精度向上への要求も高まっています。

2.概要

写真:超薄型トナーセンサー例(上:従来品 下:開発品)
写真:超薄型トナーセンサー例
(上:従来品 下:開発品)

 このたびNXE が開発した超薄型高精度トナーセンサーは、平面コイルと独自の新しい検出方式を用いることで超薄型化と高精度化を両立したセンサーです。
 透磁率を検知するコイルに平面コイルを採用することで従来品よりも大幅な薄型化*3を実現しました。また、新たに開発した独自の検出方式を採用することで、コイルのインダクタンス*4 が比較的小さい場合においても安定動作が可能となり、従来品よりも検知分解能を10倍*3、出力直線性範囲を2倍*3 もの向上に成功しました。これにより、本開発品を採用することで複写機やプリンターのさらなる小型化、高画質化が期待されます。
 また、従来方式との互換品のラインアップも予定しています。

■超薄型高精度トナーセンサーの特長

  • (1)検知部に平面コイルを採用することで超薄型化(4.0 ㎜)を実現 (従来品「HMS501」の半分)
  • (2)超薄型化と高精度化を両立(検知部分解能:1/10,000) (従来品「HMS501」の10倍)
  • (3)出力直線性範囲*5 が広い(0.5V-4.5V) (従来品「HMS501」の2倍)
  • (4)高感度のため隔壁を介しても従来レベルの感度特性を確保(設計の自由度が向上)
  • (5)制御範囲の各種変更に柔軟に対応(生産プロセスの共通化が可能)

■超薄型高精度トナーセンサーの仕様例)

型式 HMD24 HMD5 HMD3
電源電圧 DC24V DC5V DC3.3V
センサー出力 2.5V±2.0V 1.5V±1.0V
制御電圧範囲 2.5V±0.5V 1.5V±0.5V
感度 0.5V/wt% or 1.0V/wt%

以 上

【お客様からのお問い合わせ】
NEOMAX エンジニアリング株式会社 担当 小田切 TEL 03-5765-4301
【報道機関からのお問い合わせ】
日立金属株式会社 コミュニケーション室 担当 吉原 TEL 03-5765-4082

<補足説明>

  • *1 差動トランス方式とは、空間の磁力線と測定対象物の磁力線を測定し、その測定値の差を検出する方式です。
  • *2 トナーセンサーとは、主に複写機やプリンターに用いられるトナーの濃度や残量を検出するセンサーのことです。
  • *3 当社従来品(HMS501)との比較において。
    本開発品と HMS501 の特性は、以下の通りです。
      超薄型高精度トナーセンサー(開発品) HMS501(従来品)
    サイズ 60(W)×12(H)×4(D) mm 66(W)×11(H)×8(D) mm
    検知部分解能 1/10,000 1/1,000
    出力直線性範囲 0.5V-4.5V 1.5V-3.5V
  • *4 インダクタンスとは、コイル部品において、コイルに流れる電流が変化すると、電磁誘導により、コイルに起電力が発生する。この電流変化に対する起電力の比率を示した値を指します。
  • *5 出力直線性範囲とは、トナー濃度に対応した電圧出力が、直線的に比例で変化する範囲を指します。

<用語解説>

  • *1
    磁心損失とは、磁心(コア)を特定の周波数で交番する磁界の中に置いた時に失われるエネルギー損失のことです。磁心損失が大きくなるとエネルギー損失が大きくなります。
  • *2
    飽和磁束密度とは、材料が持つ磁力の強さを表す物理量で磁性材料の性能の基本になる尺度のひとつです。材料を磁化した時の磁化の程度を磁束密度と呼び、値が大きいほどコアの小型化、および大電流下での使 用が可能となります。材料を磁化するに伴いそれ以上磁化しない限度を飽和磁束密度と呼びます。
  • *3
    キュリー温度とは、強磁性体が常磁性体に、もしくは強誘電体が常誘電体に変化する転移温度のことです。

【NEOMAX エンジニアリング株式会社 会社概要】

  • (1)設立 1992年12月17日
  • (2)本社 群馬県高崎市吉井町多比良2977番地
  • (3)代表者 代表取締役社長 植村典夫
  • (4)資本金 4億1,000万円(日立金属100%出資)
  • (5)従業員数 約230名
  • (6)拠点数 営業拠点2ヶ所、製造拠点4ヶ所
  • (7)事業内容 磁石および応用製品の製造・販売