2008年ニュースリリース

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日立金属株式会社

環境対応型鋳物継手を市場投入

----鉛、カドミウムの含有量を削減した溶融亜鉛めっき技術を開発----

日立金属株式会社(本社:東京都港区、社長:持田 農夫男、以下 日立金属)は、溶融亜鉛めっき鋳物継手のめっき技術を改良して、有害物質である鉛とカドミウムの含有量を削減しためっき技術を株式会社興和工業所(本社:愛知県名古屋市、社長:六車 壽夫、以下 興和工業所)と共同開発いたしました。順次、新めっきに切り替えた環境対応型溶融亜鉛めっき鋳物継手の生産を開始し、市場投入いたします。

1.概要

  • [写真]環境対応型白継手 優めっき™白継手
    写真 環境対応型白継手
    商品名称: (ゆう)めっき™白継手

 溶融亜鉛めっき※1鋳物継手(以下白継手)は、主に消火配管や空調配管、機械設備配管などで使用されている継手で、防錆のため表面に溶融亜鉛めっきを行っております。
 亜鉛地金に含まれる鉛は、炉の保護※2めっきの濡れ性※3を向上させる役割がありますが、日立金属では環境負荷削減の観点から、鉛・カドミウムの含有量が少ない亜鉛地金が使用できるめっき技術の開発に興和工業所と共同で取り組みました。
 その結果、鉛含有量が0.003%以下、カドミウム含有量が0.002%以下の最純亜鉛地金を使用できる新めっき技術を開発し、グリーン調達に適した環境対応型の白継手量産に目処をつけました。生産設備の準備ができ次第、白継手のめっきを新めっきに切り替え、環境対応型白継手(商品名称: (ゆう) めっき™白継手)を市場投入いたします。

2.特長

(1) 鉛とカドミウムを大幅に削減
 めっきには、JIS規格で最も純度が高い最純亜鉛地金などを使用し、鉛とカドミウムの含有量を大幅に削減します。

表 めっきに使用する地金の成分規格例(%)

使用地金の種類 Zn(亜鉛) Pb(鉛) Cd(カドミウム) Fe(鉄) Sn(スズ)
開発品 最純亜鉛地金 99.995以上 0.003以下 0.002以下 0.002以下 0.001以下
従来品 蒸留亜鉛地金1種 98.5以上 1.3以下 0.4以下 0.025以下 -

注)亜鉛地金のJIS規格値であり、実際の製品での含有量とは異なります。

(2) 新たな重金属添加は不要
 鉛に変わる重金属類を添加するのではなく、独自の製造設備の開発、前処理による製法での量産技術を確立しました。

(3) 外観および性能は従来のめっきと同等
 白継手に関するJIS規格(JISB2301)を満足しており、また外観は従来品と同様に光沢のあるめっきです。

3.生産切り替え完了予定

 2009年4月 (2008年度上期より順次生産を開始予定)

4.売上計画

 2009年度 80億円

以上

【報道機関からのお問い合わせ】
コミュニケーション室 担当 南 TEL03-5765-4079

【お客様からのお問い合わせ】
配管機器カンパニー 担当 森田 TEL03-5765-4278

(ご参考)

用語解説

※1  溶融亜鉛めっき
鉄材や鋼材を溶かした亜鉛に浸せきさせて得られる亜鉛の被膜及び亜鉛と鉄との合金層。
鋳物継手に溶融亜鉛めっきを施すと、明るい銀色となるため、めっきを施していない黒継手に対して、白継手と呼ぶことがある。

※2  炉の保護
めっき炉の底に溜まるドロス(堆積不純物)と炉床との間に鉛層が形成される。ドロス処理の際に、鉛層が炉床の損傷を低減する。

※3  めっきの濡れ性
溶かした亜鉛の鋳物継手表面へのゆきわたりやすさ。