2013年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

25Gbit/sに対応した高速伝送用メタルケーブル「OMNIBIT®」を開発

 日立電線株式会社(以下、「当社」)は、独自のケーブル構造により25Gbit/sまでの伝送速度に対応した、情報ネットワーク機器間の相互接続に用いる高速伝送用メタルケーブル「OMNIBIT®*1を開発しましたので、お知らせします。

 近年、サーバーやスイッチ、ストレージなどの情報ネットワーク機器の高速・大容量化が進んでおり、これら機器間を相互接続するケーブルも同様に高速・大容量への対応が求められております。
 情報ネットワーク機器間を相互接続するケーブルは、ラック内やラック間といった数メートル程度の短い距離の場合、コスト・性能の観点から差動2心同軸型(図1参照)のメタルケーブルが用いられます。しかし、メタルケーブルでは、信号の伝送速度が高速になるほど、伝送路を構成する2本の導体の間に発生する信号の伝搬時間差(対内スキュー)が、信号波形の劣化に大きく影響を及ぼすようになります。さらに、高速になるほど信号の減衰量も大きくなります。

 これら課題に対して、このたび当社では、独自のケーブル構造により25Gbit/sまでの伝送速度に対応した、情報ネットワーク機器間の相互接続に用いる高速伝送用メタルケーブル「OMNIBIT®」を開発しました。
 今回開発したOMNIBIT®は、2本の導体を一括絶縁被覆した構造を採用したメタルケーブル(図1参照)です。2本の導体間隔の最適化を図るとともに、これらを一括絶縁被覆することで、電気的な結合を強め、2本の導体周りの誘電率を等しくし、対内スキューを当社従来品の約半分以下にまで低減しました。これにより、25 Gbit/sの信号伝送においても信号波形歪の無いケーブルを実現しました。
 さらに今回開発したOMNIBIT®を用いてSFP+ダイレクトアタッチケーブル*2(以下、「DAC」といいます。)を製作し、評価したところ、ケーブル長5mのDACにおいてVMA損失(Voltage Modulation Amplitude loss)およびVCR(VMA Crosstalk Ratio)ともにSFF-8431*3の要求仕様を満足することも確認しました。

 今後、当社では、現在検討されている次期25Gbit/sの規格の立ち上りに合せて、OMNIBIT®のさらなる高性能化に向けた研究・開発に注力するとともに、ラインアップを拡充していくことで高速伝送ケーブルの拡販を図ってまいります。

以上

図1:開発品(OMINIBIT)と従来品(差動2心同軸型)の構造イメージ図

図1:開発品(OMINIBIT)と従来品(差動2心同軸型)の構造イメージ図
*1 OMNIBITは、日立電線株式会社の登録商標です。
*2 SFP+ダイレクトアタッチケーブルとは、ケーブルの両端にSFP+モジュールが取り付けられたメタルケーブルのことです。
*3 SFF-8431とは、ストレージデバイスなどの業界団体であるSmall Form Factor Committeeが定める規格の一つであり、8.5と10ギガビットの小型フォームファクターの規格です。