2013年 旧 日立電線ニュースリリース
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RBセラミックスを配合した滑りやすく耐摩耗性に
優れたゴム複合材を開発
日立電線株式会社の連結子会社である東北ゴム株式会社(本社:宮城県仙台市、以下、「東北ゴム」)は、仙台市・公益財団法人仙台市産業振興事業団による支援により実現した東北大学大学院工学研究科堀切川研究室(以下、「東北大学」)との共同研究により、このたび、ゴムにRBセラミックス(Rice Bran Ceramics、以下、「RBC」)を高重量配合することで低い摩擦係数と高い耐摩耗性を併せ持った新しいゴム複合材を開発しましたので、お知らせします。
東北ゴムは、お客様のご用途に合わせて様々な種類のゴムシートを開発・製造しております。なか でもふっ素樹脂とゴムを一体成型した摩擦係数が低く滑りやすい「ネバラン*1」や、超高分子量ポリエチレンとゴムを一体成型した耐摩耗性に優れる「Z-1ライナー*2」は、安定した品質で高く評価されており付着防止用シートとしてタンクや輸送管の内貼りや各種建設機械のライニング*3で採用されております。
このたび東北ゴムでは、こうした実績を積み重ねる中、東北大学との共同研究によりゴムに硬質多孔性炭素材料RBCを高重量配合することで低い摩擦係数と高い耐摩耗性を併せ持った新しいゴム複合材の開発に成功し、滑りやすく摩擦に対し擦り減り難い付着防止用シート等の提供が可能となりました。
RBCは、東北大学によって開発された脱脂した米ぬかを原料とする硬質多孔性炭素材料です。軽量、低い摩擦係数、高い耐摩耗性などの優れた特性を持っており、無潤滑直動すべり軸受けや無潤滑ステンレスチェーンなどに採用されております。また、ゴムやウレタンに低重量配合(2~8wt%)することで水や油で濡れた面での摩擦係数を増加させる性質を持っており、耐滑靴底材料など幅広い分野で使用されております。
今回、開発した新しいゴム素材は、ゴムにRBCを高重量配合(50~60wt%)した画期的なゴム複合材です。RBCが持つ低い摩擦係数、高い耐摩耗性の特性により、ふっ素樹脂と同等の摩擦係数と超高分子量ポリエチレンと同等の耐摩耗性を兼ね備えております。また、導電性にも優れるため、帯電しやすい粉末などの居付きを防ぐこともできます。さらに、一般的なゴム材と同様に、難燃性や抗菌性などを付加することも可能です。
今後、東北ゴムでは、本開発で実現した新しいゴム複合材を使用した製品の用途拡大を積極的に推進することで事業拡大に努めてまいります。
以上
*1 ネバランは、東北ゴム株式会社の登録商標です。
*2 Z-1ライナーは、東北ゴム株式会社の登録商標です。
*3 ライニングとは、金属の表面を腐食や摩耗、汚染などから守るために表面に耐性を持つ材料を厚く被覆することです。
関連リンク
- 東北ゴム株式会社Webサイト
http://www.tohoku-rubber.co.jp/
■開発したゴム複合材の位置付け(素材マップ)
■開発したゴム複合材と従来製品の摩擦係数と比摩耗量の関係(当社比)