日立電線株式会社はこのたび、鉄道車両用電線・ケーブルとして、独自の被覆材配合技術によりハロゲンフリー化を実現した鉄道車両用ハロゲンフリー特別高圧ケーブル「NH-WEPシリーズ」をラインアップしましたので、お知らせします。

　近年、地球環境保全に対する関心が高まる中で、鉄道輸送は、輸送量に対するエネルギー消費量とCO₂排出量が少なく、地球環境負荷低減につながることから改めて注目されております。特に欧州やアジアを中心とする海外市場では、活発に鉄道網の整備が進んでいることから鉄道車両および部材への需要も高まっております。
　当社は、各種電線・ケーブル製造で培った技術を活かし、以前より車体配線および車載機器に用いられる鉄道車両用電線・ケーブルを手がけております。安定した品質で高い評価をいただいており、新幹線、在来線車両および地下鉄車両などに用いられる様々な種類の電線・ケーブルをご採用いただくなど、国内市場においてトップシェア(当社推定)を獲得しております。また、1980年代より輸出車両向けにも鉄道車両用電線・ケーブルの製造を行っており、英国や中国大陸、台湾地域などの高速鉄道車両に納入した実績があります。

　近年、環境負荷を一層低減するために、鉄道車両に使用される部品、材料に対して環境阻害物質の除外が求められており、鉄道車両に使われる電線・ケーブルにおいても、塩素や臭素を含まないハロゲンフリー化への要求が高まっております。

　このような中、当社はこうしたニーズに応えるために、独自の被覆材配合技術によりハロゲンフリー化を実現した鉄道車両用ハロゲンフリー特別高圧ケーブル「NH-WEPシリーズ」をラインアップしました。
　NH-WEPシリーズは、主に高速鉄道車両への搭載を想定した定格電圧30kVの鉄道車両用ケーブルです。各種電線・ケーブルで培った被覆材配合技術と架橋ポリオレフィンを主体とする被覆材料を用いることで、従来品と同等の特性を持ちながらも、ハロゲンフリー化を実現するとともに、BS規格(British Standard)で要求される難燃性、毒性、発煙性を満たしております。

　今後、当社では、鉄道車両用電線・ケーブルの性能向上に向けた開発に注力するとともに、ラインアップを拡充していくことで鉄道車両用電線・ケーブルの拡販を図ってまいります。

以上