2010年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

フレキシブル薄型配線材「平織細径ケーブルハーネス」を開発

 日立電線株式会社は、このたび、多様な可動形態に対応し、高速で安定した信号伝送が可能なフレキシブル薄型配線材「平織細径ケーブルハーネス」を開発、本格量産を開始いたしましたので、お知らせいたします。

 デジタルカメラや薄型テレビなどの電子機器は、多機能化とともに薄型化や小型化が進んでいます。これらの機器に用いられる内部配線材にも、高速で安定した伝送特性や、狭いスペースでの自由な配線を実現する柔軟性、多様な可動形態に対応するための高い耐屈曲性が求められます。
現在は電子機器の内部配線材として、一般にFPC(Flexible Printed Circuits)や細径同軸ケーブルが用いられています。しかしながら、FPCはひねる・回すといった複雑な動きへの対応が難しく、また、外形加工のために金型を製作するので初期費用がかさむといった課題がありました。他方、細径同軸ケーブルでは、複数のケーブルを配線する場合はケーブルがばらつかないように束ねる必要があり、その結果、厚みが出る、曲げ方向が制限されるといった課題がありました。

 そこで、このたび当社は、これらの課題を克服するフレキシブル薄型配線材「平織細径ケーブルハーネス」を開発し、販売を開始いたしました。
 平織細径ケーブルハーネスは、細径同軸ケーブルを縦糸、ポリエステル素線糸を横糸にとって織り合わせた帯状のハーネスです。帯状でありながらも、0.3~1.0mmの薄さを実現していることに加え、横糸の密度を調整したり、帯状に織っていないバラ線部分を設けたりすることによって多様なハーネス形状への加工が可能です。また、曲げやひねり、折り曲げに耐える優れた耐久性を備えており、例えば46AWGサイズ*1 の平織細径ケーブルハーネスの場合、無荷重の状態で曲げ半径6mmかつ±90°の繰返し曲げ試験において、1,000万回以上の繰り返し曲げでも疲労断線しないことを確認しています。このため、狭く異形状のスペースへの配線や長時間の可動が求められる配線の材料に適しています。
 さらに、細径同軸ケーブルの線心は全てシールドで覆われているため耐ノイズ特性がFPCよりも優れており、特性インピーダンスのマッチングも容易であるため、高速かつ安定した信号伝送が可能です。価格面でもFPCのように金型を製作する必要がないため初期費用を抑えることができます。

 今後、当社では、デジタルカメラや薄型テレビといった電子機器分野での拡販をすすめ、2012年度には平織細径ケーブルハーネスでの売上高3億円/年をめざしてまいります。

以上

*1 AWG(American Wire Gauge)とは、導体サイズを表す番手です。

平織細径ケーブルハーネスの外観写真

平織細径ケーブルハーネスの外観写真