2010年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

TransferJet用小型カプラに新製品をラインアップ
- 基板端面放射型を開発 -

 このたび日立電線株式会社は、高速近距離無線規格である「TransferJet」*1 に対応した小型カプラの新製品として、「基板端面放射型小型カプラ」を開発しましたので、お知らせします。2010年秋よりサンプル出荷を開始いたします。

 TransferJetは、TransferJetコンソーシアムが規格化した高速近距離無線規格で、放射電磁界を用いた一般的な無線アンテナではなく、誘導電界を用いたカプラと呼ばれる送受信アンテナによって通信します。レーダーなどで利用されている超広帯域無線規格「UWB」*2 並みのスピードと、FeliCa*3 などで利用されている短距離無線通信規格「NFC」*4 の手軽さをあわせ持っており、ユーザーはカプラを搭載した機器同士を数cm以内に近接させるだけで最大で560Mbpsのデータ転送ができます。ケーブルを使わずに、画像や、音声、動画などの大容量のデータを素早く手軽に転送できることから、テレビやパソコン、デジタルカメラ、携帯電話など多くのデジタル機器での採用が期待されます。
当社では、従来からノートPCなどのモバイル機器に内蔵する無線用アンテナを手がけており、そのラインアップを拡充し、事業を拡大するために、ソニー株式会社とTransferJetに関するライセンス契約を結び、TransferJetに対応した小型カプラを開発し、2009年12月より、お客様へご提供しております。

 こうした活動の中、このたび当社では、デジタルカメラなどの部品搭載スペースが限られたモバイル機器でも十分に受発信を可能とする基板端面放射タイプの小型カプラを開発いたしました。2010年秋よりサンプル出荷を開始いたします。
今回開発した基板端面放射タイプは、厚さ0.3mm以下の薄い小型カプラです。従来の基板上面放射タイプでは、基板上面(20mm×20mm)方向で無線通信を行っていたのに対し、基板端面放射タイプでは、基板端面(25mm×0.3mm以下)方向で無線通信を行うことが可能となります。これにより、基板搭載方法の自由度が広がり、デジタルカメラなどの小型機器へのカプラ実装が容易となります。また、従来の基板上面放射タイプと同様に2層プリント基板などの汎用的な材料で放射素子を成形することが可能であることから、量産性に優れ、安価にご提供することができます。さらに基板材料として、FPCなどの薄いフィルム材を使用することで厚さ0.1mm以下の小型カプラをご提供することも可能です。

 今後、当社では、さらなる小型化・薄型化への開発に注力するとともに、ラインアップを拡充することで、2011年度に小型カプラで売上高3億円/年をめざしてまいります。

以上

*1 TransferJetは、ソニー株式会社の商標です。
*2 UWBは、Ultra-Wide Bandの略で、500MHz以上の広い周波数帯域を用いての送受信を行う無線通信方式です。
*3 FeliCaは、ソニー株式会社の登録商標です。
*4 NFCは、Near Field Communicationsの略で、10cm程度のごく近距離で100~400kbpsの双方向通信が可能な短距離無線通信規格です。

基板端面放射タイプ 小型カプラ 仕様

項目 仕様
外形寸法 25×10(mm)
厚さ 0.1~0.3(mm)
周波数 4.20~4.76(GHz)
結合強度
|S21|>-25(dB)
フラットネス(結合時)
<3.0(dB)
非結合強度
|S21|<-50(dB)
サンプル価格
\1,000/個 (5個~)

参考 タイプ別小型カプラ放射方向

基板端面放射タイプ 小型カプラ外観