2010年 旧 日立電線ニュースリリース
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
太陽電池用PVワイヤー「NoWarp」の製造設備をマレーシアに新規導入
―世界3拠点での供給体制を確立―
日立電線株式会社は、このたび太陽電池モジュールの導体に使用されるPVワイヤー(Photovoltaic Wire/平角はんだめっき線)「NoWarp」*1 の需要増大に対応するために、日立電線ファインテック株式会社と日立電線(蘇州)有限公司に続く新たな製造拠点としてマレーシアのHitachi Cable (Johor) Sdn. Bhd. (以下、「ヒタチケーブル・ジョホール社」といいます。) 内に製造設備を導入し、2010年8月より本格稼動を開始することとしましたので、お知らせします。
PVワイヤーは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池のセルとセルの間をつなぎ合わせ、発生した電力を集める導体としての役割を担っています。当社は、各種電線・ケーブル製造で培った圧延技術、伸線技術、めっき技術を活かし、2000年よりPVワイヤーの製造を始め、現在、「NoWarp」のブランドで販売しております。
太陽電池モジュールの中で主流となっている結晶シリコン太陽電池セルにおいては、近年、生産効率向上を図るためにセルの薄型化が促進されております。薄型化に伴い、セルはPVワイヤーとの接続時に発生する熱応力の影響を受けやすくなり、反ってしまうことがあります。このため、PVワイヤーには、熱応力を緩和し、セルの反りを発生しにくくする柔軟な特性が求められております。
当社のNoWarpは、熱処理条件の最適化により、高い導電率を保ちながら柔軟性を実現する点で高い評価をいただいており、世界におけるPVワイヤー市場において約20%のシェアを獲得しております。*2
地球温暖化防止や省エネルギーへの関心の高まりから、太陽電池モジュールは出力容量ベースで年平均約22%の成長が期待されており、2015年には2009年比で約3.3倍まで市場拡大が見込まれております*3 。このため、既存のモジュールメーカーが増産を進めるとともに、新規参入が相次いでおり、世界各地で太陽電池モジュールの生産が活発化しております。また、これに伴い、PVワイヤーへの需要も増大しており、幅広い地域で供給体制を整える必要がでてきました。
こうしたニーズに対応するため、当社は、PVワイヤーの新たな生産拠点として、マレーシアのヒタチケーブル・ジョホール社内に製造設備を導入し、2010年8月より本格稼動を開始することといたしました。設備投資金額は約5億円となります。
当社グループでは、日本、中国に続き、新たにマレーシアに製造拠点を設け、最適地生産を行うとともに、今後とも、さらなる新製品開発力や生産能力を強化することで、NoWarpを中心とした太陽電池向け配線材の売上高を2009年度の約40億円から、2012年度には90億円に拡大することを目指してまいります。
以上
*1 | NoWarpは日立電線株式会社の登録商標です。 |
*2 | 各種調査資料をもとに、当社推定 |
*3 | 出典:富士経済「2010 電力・エネルギーシステム新市場」 |
PVワイヤー「NoWarp」外観写真
太陽電池モジュールへの搭載例