2010年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

「ミューチップ」を用いたRFID内蔵電力・通信ケーブルを開発

 日立電線株式会社はこのたび、電気工事の作業効率や信頼性向上のために、株式会社日立製作所(以下、「日立製作所」といいます)と日立化成工業株式会社(以下、「日立化成」といいます)、株式会社日立プラントテクノロジー(以下、「日立プラント」といいます)、日立GEニュークリア・エナジー株式会社(以下、「日立GEニュークリア・エナジー」といいます)の協力のもと、超小型RFIDチップ「ミューチップ (µ-Chip)」*1 *2 を内蔵した電力・通信ケーブルを開発しましたので、お知らせします。

 発電所などの大型プラントでは、多くの電力・通信ケーブルが敷設されており、電気工事における作業効率や信頼性向上のために、ケーブルにタグ(札やバーコードなど)を取り付けたりすることで型番や製造ロット、用途などの個体情報の識別をしております。
しかしながら、これまでタグの取り付けは、人手に頼ることが多く、工事現場での負担軽減が課題となっておりました。

 そこで、このたび当社は、工事現場での作業負担を軽減するとともに、ケーブルのトレーサビリティを向上することで電気工事の作業効率や信頼性向上を図った超小型RFIDチップ「ミューチップ」を内蔵した電力・通信ケーブルを開発しました。
 ミューチップは、日立製作所によって開発された超小型RFIDチップで、耐熱性と耐放射線性に優れ、信頼性の高い個体情報を付けることが可能です。本ケーブルの開発では、日立化成にてミューチップにアンテナを取り付け、テープ状のRFIDに加工し、当社にてRFIDをケーブル全長に埋め込みました。また、日立プラント、日立GEニュークリア・エナジーの協力のもと、工事現場を想定した模擬実験を行い、個体情報の識別が可能であるかを確認いたしました。
 ケーブルの製造時にRFIDを埋め込むことから、正確に型番や製造ロットなどの個体情報を管理することができます。また、全長にわたってRFIDが埋め込んであることから、ケーブルのどの場所からでも個体情報を読み取ることも可能です。さらに、プラントへのケーブル敷設前に個体情報と使用用途をデータベース上で関連付けることで、既設のケーブルの用途を正確に識別することが可能となります。
これらケーブルのトレーサビリティを向上させる仕組みをケーブルに内蔵させることにより、工事現場でのタグ取り付けが不要になるとともに、電気工事の作業効率や信頼性向上が期待されます。

 今後、当社では、電気通信をはじめとする電気工事分野において、さらなる作業効率、信頼性の向上が図れるようRFID内蔵ケーブルの実用化を進めてまいります。

以上

*1 RFIDは、Radio Frequency Identificationの略で、電波で人やモノを認識、認証する仕組みのことです。
*2 ミューチップは、日立製作所の登録商標です。

RFID内臓ケーブル外観写真

RFID内臓ケーブル外観写真