2009年 旧 日立電線ニュースリリース
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高精度な判定機能を持つスペクトル判定型
光ファイバフェンスセンサを開発
日立電線株式会社はこのたび、人為的振動と風などの自然現象による振動を高精度に判別できる「スペクトル判定型光ファイバフェンスセンサ」を開発しましたので、お知らせします。
近年、空港、港湾、発電所などの重要施設において、侵入者による破壊、物品の盗難や情報流出の抑止、また人身の安全を確保するためのセキュリティ技術への関心が高まっています。特に広範囲を監視する必要のある施設や小規模の無人施設においては、警備員による巡回などの人的警備では限界があるため、敷地境界のフェンスに設置した侵入検知センサと監視カメラを連動させた機械警備が一般的に用いられています。
侵入検知センサにはさまざまな方式が提案されており、設置場所の条件などに応じたセンサが用いられています。なかでもフェンスに固定するタイプの振動センサは、外周形状が複雑な立地条件においても容易に設置できることから、多くの施設に用いられています。
当社では、振動センサに侵入者判定機能を搭載した光ファイバフェンスセンサを手がけております。これは偏波面保存光ファイバという特殊な光ファイバを用いた振動センサで、常時光信号を発した状態の光ファイバをフェンスに取り付け、フェンスに振動が加わることによって生じる光干渉を応用し、振動を検知、分析し、監視カメラを起動させたり、警報を発信したりすることができます。電気式のセンサに比べ、雷による電気的誘導や音の影響を受けにくいことから、高いセキュリティレベルを実現できると評価を頂いております。
一般に各セキュリティシステムは、失報がないように感度の高い設定条件で運用されます。この時、振動センサにおいては、誤報とならないよう人為的振動と風などによる自然現象による振動を判別する機能が必要となります。しかし、これまでの振動センサは、強風下においては人為的なものと自然現象の判別が難しく、誤報を低減できる高精度な判別機能を持った振動センサが求められておりました。
そこで、このたび当社では、人為的振動と風などの自然現象による振動を高精度に判別できるスペクトル判定型光ファイバフェンスセンサを開発しました。
スペクトル判定型では、誤報の発生を低減するために、フェンスに伝わる振動を計測時間と周波数で解析するスペクトル判定処理を導入しております。太平洋側と日本海側の沿岸地域にある気候環境の異なる重要施設にて、長期間にわたる実証試験を行い、風速15メートル以上の強風環境下において、誤報がほとんど発生しなかったことを確認しております。また、本体の大きさも従来と同様の小型サイズとなっております。
今後、当社では、さらなる検知感度の最適化やセンサの小型化など新製品開発力を強化することで、重要施設での採用拡大を図ってまいります。
以上
光ファイバフェンスセンサの主な仕様
(1)信号処理装置本体
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(2)終端箱付光センサケーブル
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光ファイバフェンスセンサ設置例