日立電線株式会社は、このたび独自の材料により柔軟性に優れ、高速信号伝送に対応した特性インピーダンスマッチング型FFC「ZX2シリーズ」*1 を開発し、2009年9月より本格的な量産を開始いたしますので、お知らせします。

　近年、テレビをはじめとした薄型ディスプレイの高解像度化や、高解像の映像再生を可能とするBlu-rayディスク*2 などの普及により、高精細な画像信号処理を必要とするデジタル機器が増加してきております。これに伴い、これらのデジタル機器に使用される配線材もHDMI(High Definition Multimedia Interface*3)、や、USB2.0(Universal Serial Bus)、SATA(Serial ATA)などの各種高速インターフェースへ対応するために数百MHzからGHz帯への対応が要求されております。
　このようなニーズにお応えするために、当社グループでは、特性インピーダンスを100Ωに整合させ、高速信号伝送に適した構造の特性インピーダンスマッチング型FFC「ZX1シリーズ」を開発し、お客様にご採用いただいておりました。

　こうした実績を積み重ねる中、お客様での機器への取り付け作業を容易にするために、柔軟性に優れた特性インピーダンスマッチング型FFCへのニーズが明らかになりました。そこで、当社グループでは、柔軟性に優れた特性インピーダンスマッチング型FFC「ZX2シリーズ」を開発し、2009年9月より量産を開始いたします。
　ZX2シリーズは、当社独自の材料を用いることにより、従来のZX1シリーズと同等の特性インピーダンスでありながら、最大で約15%の薄型化を実現しております。このため柔軟性に優れ、お客様における機器への取り付け作業性を向上させることができます。

特性インピーダンスマッチング型FFC　概略仕様一覧

項目		【従来品】		【新製品】
		ZX1シリーズ		ZX2シリーズ
		ZX1L	ZX1U	ZX2	ZX2U
定格温度(℃)		105	80	105	80
定格電圧(V)		60	30	60	30
厚さ(mm)		0.67	0.61	0.60	0.57
特性インピーダンス (ディファレンシャルTDR)	規格値(Ω)	100±10
	実測値(Ω)	93	98	94	96

　今後、当社グループでは、さらなる高速信号伝送へ対応したFFCを開発するとともに、ラインナップを拡充することで、2011年度までに特性インピーダンスマッチング型FFCで売上高15億円を目指します。

以上

*1	FFCは、Flexible Flat Cableの略です。
*2	Blu-rayは、Blu-ray Disc Association による登録商標です。
*3	HDMIは、HDMIライセンシングLLC社の登録商標です。