日立電線株式会社はこのたび、ノンハロゲン材料を使用したハイブリッド電気自動車(以下、HEVといいます。注1)用ノンハロゲン150℃耐熱電源ハーネスを開発いたしましたのでお知らせします。

　世界各国で地球温暖化防止に向けたCO₂の削減や燃費、排出ガス規制の強化が進むなど、自動車の環境負荷低減が強く求められており、エンジンとモータを併用するHEVへの期待が高まっております。近年では、さらなる環境保全への意識の高まりから、HEVに使用される自動車用部品に対しても、環境阻害物質の除外が求められており、HEV用電源ハーネスに使われるケーブルにおいて、塩素や臭素を含まないノンハロゲン化への要求が高まっております。

　このような中、当社はこれらのニーズにこたえるために独自の配合技術による耐熱性に優れたノンハロゲン材料を開発し、これをケーブルの被覆材に用いたHEV用ノンハロゲン耐熱電源ハーネスを開発いたしました。
　HEVにはバッテリーとインバータとをつなぐDC(直流)ハーネスと、インバータとモータをつなぐAC(交流)ハーネスが必要であり、これらの電源ハーネスはケーブルと接続部で構成されております(図1参照)。
　HEV用電源ハーネスのケーブルには、エンジン近傍の高温環境下での大電流通電に耐える高い耐熱性と、限定されたスペースでもスムースに配線できる柔軟性が求められます。このたび開発したケーブルは、ノンハロゲン材料を被覆材料としながらも、柔軟性と耐熱性に優れており、自動車用ケーブルの国際規格であるISO6722ClassD(最高使用温度150℃)に準拠しております。さらにノンハロゲン化に加え、RoHS*2 、GADSL*3 といった有害物質の規制にも対応しております。
また接続部であるコネクタには、銅合金とSUS製バネを組み合わせた2ピース構造の端子と、シールドを兼ねたアルミ合金製のハウジングを開発し、これを適用したことにより、小型で大電流通電、耐振動、シールド性の面で優れた特性を実現しました。

　今後、当社では、さらに厳しい使用条件においても使用できるHEV用電源ハーネスを開発するとともに、地球環境負荷低減の面での優位性をお客様にご理解いただくことでHEV用電源ハーネスの拡販を図ってまいります。

以上

*1	HEVは、Hybrid Electric Vehicleの略です。
*2	RoHS(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)は、EU(ヨーロッパ連合)における電気・電子機器に対する特定有害物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の使用制限に関する指令のことです。
*3	GADSL(Global Automotive Declarable Substance List)は、自動車業界で定められた禁止・申告物質リストのことです。