日立電線株式会社の子会社である東北ゴム株式会社(本社：宮城県仙台市、代表取締役社長：山口政男、以下、「東北ゴム」といいます。)は、このたび、汎用のクロロプレンゴムシートとほぼ同等の性能を有し、かつ、塩素等のハロゲン物質を含まず、従来品と比べ20%の軽量化を実現した「東北ゴムECOカルシート」を開発し、2007年12月から販売を開始することといたしましたのでお知らせします。

　東北ゴムでは、従来から、お客様のご用途に合わせて様々な種類のゴムシートを製造・販売しております。なかでもクロロプレンゴムシートは、天然ゴムシートに比べ耐油性、耐候性、耐熱性等に優れた汎用性の高い合成ゴムシートです。このような特性を活かし、自動車用部品や電気器具のパッキング材、構造物の振動防止用の材料等に使用されています。しかし、クロロプレンゴムには塩素が含有されており、焼却の際に不完全燃焼によるダイオキシン等の有害ガスの発生が懸念されます。近年、環境保護の観点から、特定有害物質の製品への含有を禁止または制限する動きが顕著となっており、環境面を重視するお客様では焼却時の有害ガスの発生等が問題となる場合がありました。

　このような中、東北ゴムでは、「東北ゴムECOカルシート」を開発し、12月から販売を開始いたします。 東北ゴムECOカルシートは、従来の東北ゴムのクロロプレンゴムシート(CR6005)と、ほぼ同等の物理的性質や熱老化特性、耐油性等を有したまま、ハロゲン物質等の有害な化学物質を含まず、しかも従来品から20％の軽量化を実現した、より環境にやさしい製品です。

　ハロゲン物質を含まないため、焼却の際にダイオキシン等の有害ガスが発生しません。加えて、JIG*1 の禁止物質および管理物質や、RoHS指令*2 、ELV指令*3 の禁止物質を使用していません。また、シックハウス症候群の原因物質と推定されるホルムアルデヒドや、フタル酸類等の環境ホルモンを含まないほか、食品衛生法厚生省告示370号のゴム製の器具または容器包装に適合しています。さらに、従来品と比べ約20％の軽量化を達成しており、輸送時のエネルギーの削減や、組み込まれる製品の軽量化に寄与し、お客様での取り扱いが容易になります。 また、価格は従来品のクロロプレンゴムシートと同レベルとし、販売開始にあたり、4サイズ*4 を在庫化し、短納期で納入できる体制を整える予定です。

　今後、東北ゴムでは、環境面の優位性をお客様にご理解いただくことで、クロロプレンゴムシートから東北ゴムECOカルシートへと移行し、拡販を図ってまいります。なお、2007年度のクロロプレンゴムシート売上高は2億円を見込んでおりますが、これを、2010年度には、東北ゴムECOカルシート2億円、クロロプレンゴムシート1億円、合計で3億円の売上げを目指してまいります。

以上

*1	JIG(Joint Industry Guide)は、EICTA(欧州情報通信技術製造者協会)、JGPSSI(グリーン調達調査共通化協議会/日本)、EIA(米国電子工業会)、JEDEC(米国合同電子デバイス委員会)の各会員企業が策定した電気・電子機器製品の含有化学物質情報開示に関するガイドラインです。
*2	RoHS(Restriction of the Use of Certain Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipment)指令は、EU(ヨーロッパ連合)における電気・電子機器に対する特定有害物質(鉛、カドミウム、六価クロム、水銀、ポリ臭化ビフェニール、ポリ臭化ジフェニルエーテル)の使用制限に関する指令のことです。
*3	ELV(End-of Life Vehicles)指令は、EUにより制定された自動車の部品に特定の物質の使用を禁止する指令のことです。
*4	在庫対応サイズは以下の通りです。ご要望に応じてこれ以外のサイズも製作が可能です。製作可能サイズについては、東北ゴムまでお問い合わせ下さい。

東北ゴムECOカルシートと一般的なクロロプレンゴムの含有物質等の比較

項　目		東北ゴム ECOカルシート	一般的な クロロプレンゴム
ハロゲン物質		含まない	含まれる
JIG	管理物質	含まない	含まれる場合がある
	禁止物質	含まない	含まない
RoHS指令禁止物質		含まない	含まない
ELV指令禁止物質		含まない	含まない
シックハウス症候群の推定原因物質	フタル酸エステル類等の環境ホルモン	含まない	含まれる場合がある
	ホルムアルデヒド	含まない	含まない
食品衛生法厚生省告示370号のゴム製の器具または容器包装		適合	非適合

東北ゴムECOカルシートの物性比較表（測定値）

項　目		東北ゴム ECOカルシート	東北ゴムクロロプレン ゴムシート(CR6005)
比重		1.26	1.52
3mm厚さでの重量(kg/m2)		約 3.8	約 4.6
硬さ(JIS A)		63	60
引張り強さ(Mpa)		6.5	5.3
伸び（％）		360	320
熱老化試験(100℃×70Hr)	硬さ(JIS A)	73	72
	引張り強さ(Mpa)	7.2	6.3
	伸び(％)	260	260
耐油試験 (100℃×70Hr)	JIS#1体積変化率(％)	28	22
	JIS#3体積変化率(％)	75	94
オゾン劣化試験(50pphm×40℃×20％伸長)		7日間クラック無し	7日間クラック無し
圧縮永久歪(％) (100℃×22Hr×25％圧縮)		68	75

東北ゴムの概要

代表者	代表取締役社長　山口政男
本社所在地	宮城県仙台市宮城野区港1－1－12
資本金	2億7600万円
株主	日立電線株式会社　61.7％ 　 その他　38.3％
売上高	62億円(2006年度)
主な事業内容	各種工業用ゴム製品の製造販売

本件に関するお問い合わせ先

東北ゴム(株)
〒983-0001
宮城県仙台市宮城野区港1-1-12
TEL:(022)387-1511

• http://www.tohoku-rubber.co.jp/