2004年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

高速伝送性、高信頼性を備えた
モールドタイプのμBGA(R)(注1)パッケージを開発

 当社は、TABテープを用いたモールドタイプのμBGA(R)を開発し、量産化を実現しました。

 当社のμBGA(R)パッケージは、μBGA(R)パッケージの一般的な特長として高密度実装性と高速伝送性に優れていることはもちろん、TABテープと半導体チップの間に独自の緩衝材(エラストマ)を採用することにより特に信頼性に優れており、これまでもハイエンドメモリ用パッケージとして採用されてきました。
 近年、半導体技術の革新に伴い、半導体チップの小型化が進む一方、TABテープは、はんだボールを基板の設計に合わせた配置にするために一定の大きさに保つ必要があり、はんだボールの配置がFan-Out(注2)になるケースが増えてきました。μBGA(R)でFan-Out配置にするには、半導体チップの外側に位置するTABテープの剛性を保つ必要があります。
 そこで当社は、パッケージの半導体チップ側をTABテープの大きさにあわせてレジン樹脂でモールドすることにより、従来のμBGA(R)のパフォーマンスを損なうことなく、Fan-Out配置に対応でき、かつ、物理的な衝撃に対するチップの保護性能を高め取扱いを容易にしたμBGA(R)を開発しました。さらに当社は、「リールtoリール自動モールド装置」を独自開発し、優れた量産技術の確立にも成功しました。
 本モールドタイプμBGA(R)は、優れたパフォーマンスと量産性により、ハイエンドサーバー向け次世代メモリとして急速な市場拡大が見込まれているDDR2や、デジタルコンシューマ用途のSDRAM等に採用されることが期待されています。
 当社は、1997年よりμBGA(R)パッケージの開発を進めており、パッケージの開発・設計・試作から、最適なTABテープの設計・製造まで、トータルサポートを展開しています。この一貫生産体制を生かして、今後も市場の動向やお客様の要望に対応するパッケージソリューションをいち早く提供していきます。
 なお、μBGA(R)パッケージの2004年度売上高は、20億円を目指しています。

注1: μBGA(R)は、Tessera社の米国登録商標です。
注2: Fan-out
半導体チップより外側にはんだボールが配置されていることをFan-out、半導体チップ下にはんだボールが配置されていることをFan-inと定義している。

<本製品の製造を行っている工場の所在地>
〒317-0065 茨城県日立市助川町3丁目1番1号 当社・電線工場

図1 基本構造

図1 基本構造