2002年 旧 日立電線ニュースリリース

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携帯電話用ファインピッチ両面配線COFモジュールテープの量産を世界で初めて開始

 このたび当社は、携帯電話用の両面配線COF(Chip On Filmチップ・オン・フィルム)モジュールテープを開発し、世界で初めて量産を開始しました。携帯電話は、その高機能化に伴い、使用されるICや電子部品の数が増加する傾向にあります。そこで今後、それらの部品を省スペースで効率的に搭載した両面配線COFモジュールの需要が急増することが期待されています。

 これまで携帯電話の液晶パネルの配線は、ICチップと電子部品が別々に搭載される方法が主流でした。つまり、ICチップは直接液晶パネルのガラス上に搭載し(COG=Chip On Glassチップ・オン・ガラスと言われる)、電子部品はプリント基板に搭載し、それらを結ぶフィルム上に配線がされるという構造になっていました。  しかし、最近の液晶のカラー化や高機能化に伴い、ICチップや電子部品の使用数量が増加しており、小型化と両立するための省スペース設計として、フィルム上にこれらのパーツを全て搭載するCOFモジュール化の動きが加速しています。さらに、部品点数の増加に伴い、片面では配線できないパターンも増えているため、ICを搭載できるような50µm以下という微細な配線ピッチで、かつ、両面配線をしたCOFモジュールテープの開発が急がれていたものです。

 当社は液晶駆動IC用のTABテープを長年量産してきており、この微細配線技術を生かして、昨年より片面配線COFモジュールテープの量産を行ってきました。また、BGA(Ball Grid Arrayボール・グリッド・アレイ)用の両面配線テープについては、業界に先駆けて1996年から量産をしています。
 これらで培った技術を応用し、ファインピッチ対応の両面配線COFモジュールテープを開発し、このたび量産体制を確立したものです。

 本製品の特徴は、下記のとおりです。

1. ファインピッチを実現
   両面配線テープは、上下パターンを導通するためスルーホール銅めっきを行います。このとき、壁面に施すめっきが配線面の銅箔にも付着し銅箔が厚くなってしまうため、配線ピッチの微細化が非常に困難となる問題がありました。
 当社は、TABテープ生産で培ったファインピッチエッチング技術とビアめっき技術により、これらの問題を解決し、45μmピッチを実現しました。
2. 折り曲げ性が良好
   本製品は、携帯機器の狭いスペースに折り込んで使用するため、折り曲げ性の良さは重要な項目です。当社では、曲げ性の良い25μm厚みのポリイミド基材と柔軟性のあるレジストを使用することにより、良好な折り曲げ性を実現しました。
3. 量産性のよいプレスビアの採用
   従来の導通用ビアホールはレーザーにて形成していましたが、より低コストで量産性に優れたプレス工法によるビアホール形成技術を新たに開発しました。
 この工法とリール・ツー・リールというTAB量産プロセスとを併せ、スピーディーな大量生産の立ち上げと短納期対応が要求される、携帯電話用部品市場に最適な生産技術を確立しました。

 今後とも当社は、片面・両面配線COFモジュールテープの開発を進め、多様化する携帯機器向けのニーズに対応していきます。なお、携帯電話向けCOFモジュールテープの平成14年度売上目標は20億円です。

本製品の製造を行っている工場の所在地

茨城県日立市助川町3丁目1番1号 電線工場

以上