2001年 旧 日立電線ニュースリリース

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無線インターネットアクセス基地局の量産を開始

 このたび当社は、スピードネット株式会社殿(本社:東京都港区、社長:和田 裕 氏、以下 スピードネット)から、FWA(Fixed Wireless Access *1)方式のブロードバンド*2 ・インターネット接続に使用される高速無線インターネットアクセス基地局(以下 無線アクセス基地局)を400局受注致しました。この無線アクセス基地局は、スピードネット殿が埼玉県のさいたま市(旧大宮、浦和、与野の3市)で昨年から実施している広域エリア実験用として約100台が稼動しており、平成13年5月からは、スピードネット殿をはじめとしたISP*3 向けに量産を開始する予定です。

 今日、全国でブロードバンド・インターネット接続インフラストラクチャの普及が急速に広まっていますが、この無線アクセス基地局は、その中でもラストワンマイル・ソリューションとして、回線工事コストにメリットがあるFWA方式に使用されるものです。

 構成は、当社が従来から得意としているメディアコンバータ*4 と、BreezeCOM Ltd.(本社:イスラエル、以下 BreezeCOM)製FH-SS*5 方式2.4GHz帯小電力無線機を組合せたもので、データセンターからの光信号を無線に変換し、各家庭やSOHOとインターネット接続します。高速かつ信頼性の高い通信を可能とするため、光ポートは100Base-FXポートを2系統設け、スパニングツリーアルゴリズム*6 による障害回避機能を持たせました。また無線部にはFH-SS方式の無線機を採用し、無線通信を行う際に問題となる外来ノイズの影響をほとんど受けないようにするとともに、電柱上に設置される厳しい使用環境を十分考慮し、専用のボックスを開発して、耐防水、耐温度環境性能を向上させています。

 このたびの受注は、スピードネット殿の広域エリア実験において、当社の無線アクセス基地局がブロードバンド・インフラストラクチャとして十分な性能を持ち、また第1種通信事業者に要求される信頼性に関しても評価されたためと、当社では考えております。なお、本サービスは本年5月より前述のさいたま市から開始され、東京、神奈川、千葉へ順次エリアが拡大される予定です。

 当社は、従来からIMT2000向けを含めた携帯電話基地局用アンテナやブルートゥース用アンテナなどの無線システム用製品及び、FTTHやCATVインターネット接続用関連機器などの有線系サービスにも幅広く対応して参りました。今後は、基地局や地上設置用ネットワーク機器の100M/1Gbps対応製品などの幅広い製品化を通じ、ブロードバンド・ビジネスにおけるシステムインテグレーターとしての確たる地位を築いていく所存です。

*1 無線による加入者系データ通信サービスの方式の一つ。同じ方式を指して「WLL(Wireless Local Loop)」と呼ぶこともある。
*2 高速な通信回線の普及によって実現される次世代のコンピュータネットワークと、その上で提供される大容量のデータを活用した新たなサービス。
*3 インターネットサービスプロバイダ
*4 上流の光ファイバ網と基地局との接点に設置され、光信号と電気信号を変換するキーコンポーネント。
*5 無線通信方式の一つでFrequency Hopping ‐ Spread Spectrum(周波数ホッピングスペクトラム拡散)方式のこと。同じSS方式にDS-SS(Direct Sequence)方式もある。FH方式はDS方式に比べて通信速度は犠牲になるがノイズに対して強いという特徴がある。
*6 複数のLANセグメントが複数の異なる経路でつながってしまうことを避けるために、米国DEC社が考案した経路制御方式。