2000年 旧 日立電線ニュースリリース

一覧へ戻る

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

環境配慮型電線「エコグリーン(R)」の品揃えを拡充

 このたび当社は、ハロゲン物質(塩化ビニル)を一切使用しない環境配慮型電線ケーブル「エコグリーン(R)」の在庫製品に、新製品(EM-MLFC)と改良製品(EM-IE)を加え、さらに品揃えを拡充しました。

 建設省の「グリーン庁舎計画指針」を受けて、当社では平成11年度から環境配慮型電線ケーブル「エコグリーン(R)」の在庫化を本格的に進めており、設備用電線ケーブルについては、電力ケーブル、制御計装ケーブル、情報通信ケーブルなどにおいて、汎用の品種・サイズのほとんどを在庫化し、お客様のご要望に沿って即納できる体制を取っています。

 このたび開発に成功し、新たに在庫化したのは、盤内配線などに多く使用される「難燃性ポリフレックス電線(MLFC)」のエコ版「EM-MLFC」です。「MLFC」は可とう性が優れているのが特長で、盤内配線分野で広く使用されているとともに、当社が国内市場の約70%のシェアを持つ当社の特長製品となっています。一方、建設省からは、盤内配線用電線ケーブルについても、環境配慮型にしたい旨の強い要望をいただいており、これへの対応が急務となっておりました。

 一般に、設備用電線などの絶縁体やシース材料をハロゲンフリーにすると、可とう性が低下してしまうという問題がありました。しかし、このたび当社が開発したEM-MLFCは、絶縁体材料にポリオレフィン系の当社独自配合の材料を使用することで、MLFCの特長である可とう性を維持しつつも、ハロゲン物質を含まない製品とすることに成功したものです。

 従来品であるMLFCの平成11年度の売上高は、年間約22億円でしたが、平成12年度には約25億円を見込んでいます。今回のエコ対応製品の追加で、官公庁物件はもちろん、民間にも需要が広がることが期待できることから、平成13年度にはさらに10%の売上増が期待されています。

 また、平成11年度から在庫対応している、設備用電線EM-IE(IV電線のエコ版)については、改良製品の開発に成功し、8月から在庫化することになりました。 従来のEM-IEは、布設作業時に電線被覆表面が管路などと接触して擦られると、その部分が白く筋になって残り、品質上の問題はないものの、お客様からのクレーム対象となる、いわゆる白化現象が問題となっており、改良製品の開発が急がれていました。

 そこで、このたび当社は、この課題を解決した改良型「New EM-IE」を発売したものです。「New EM-IE」は、電線被覆(絶縁体)表面には、白化現象が発生せず、かつ耐候性に優れた特殊配合のポリエチレンを、内層には、電線に求められる難燃性(JIS60度傾斜試験に合格するレベル*1 )を満足させることのできる、高難燃ポリエチレンを、それぞれ用いた複合構造とすることで、この問題を解決したものです。

 「New EM-IE」は、布設作業時の白化現象をなくしただけでなく、摩擦抵抗が従来型に比べ約20%小さいため、布設張力が低減でき、お客様(工事業者)の労力を軽減できるという特長も有しています。

 また、当社ではEM-CET(電力用CVTケーブルのエコ版)、EM-CEE(制御用CEEケーブルのエコ版)についても、シースの材料を変えることで、白化現象を抑制できる改良製品の開発を完了しています。当社では、「EM-IE」「EM-CET」「EM-CEE」という設備用電線3品種について、市場のニーズに対応しながら順次在庫品を改良タイプに切り替え、今年度中には全てを改良タイプに統一していく予定です。この結果、設備用「エコグリーン(R)」全体の平成12年度の売上高は24億円を見込んでいます。

*1 60度に傾けた電線にバーナーで燃焼するまで(最大30秒)火をつけた後にバーナーを離し、60秒以内で自然に火が消えるかどうかを検査する。