2000年 旧 日立電線ニュースリリース

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WDM用導波路型光合分波器の設備を増強、生産能力を4倍に

 このたび当社は、WDM用導波路型光合分波器*1 への旺盛な需要に対応するため、茨城県日立市にある当社の高砂工場においてその製造設備を増設し、生産能力の増強を図ることにいたしました。
 当社の導波路型光合分波器事業は、昨年後半から急速に拡大しており、平成11年度の売上高は39億円でしたが、平成12年度には約70億円になると予想しております。
 これは、インターネットの普及やマルチメディア・サービスの進展等により情報伝送量が飛躍的に増えている中で、北米を中心にWDM技術による伝送容量の拡大が実施されており、WDM伝送を行なうためのキーコンポーネントである導波路型光合分波器への需要が高まっていることによるものです。
 こうした需要の伸びに伴ない、当社では、今年4月から高砂工場内に約20億円をかけて製造設備を増強するなど、急ぎ生産能力の増強を進めてきました。しかしながら、当社の導波路型光合分波器の信頼性が非常に高いことが評価を受け、当初の予測を大幅に上回る勢いで需要が伸びております。
 そこで、今回、新たに約25億円の設備投資を行ない、生産能力をさらに増強することにしたものです。
 当社は、半導体の微細プロセス技術と光ファイバ製造技術を応用し、平成7年頃から導波路型光合分波器の開発をしておりましたが、平成9年に世界で初めて8チャンネル対応製品の量産化に成功しました。さらに、多チャンネル化の流れの中で平成11年には世界で初めて40チャンネル対応製品の量産化に成功するなど、この分野の技術開発では常に世界をリードし、現在では世界トップシェアを得るにいたっております。
 今般の第2次増強による生産設備が本格稼働することにより、現在月産350個の生産能力を、平成13年1月には月産1,300個にまで引き上げ、市場ニーズに確実に応えていく方針です。
 今後、当社は、次世代伝送波長帯域(L-Band)に対応する製品や、同じPLC(導波路型光平面回路Planar Lightwave Circuitの略。)技術を応用した導波路型可変光アテネータ(VOA)と光合分波器との複合製品などの開発・製品化を進め、さらに導波路型光合分波器の品揃えを拡充していく方針です。この結果、平成13年度には導波路型光合分波器全体の売上高は140億円程度にまで伸びるものと予想しております。

*1 WDM(高密度波長多重伝送 Wavelength Division Multiplexingの略。)とは、波長の近接した複数の光信号を1本の光ファイバで同時に伝送できるシステム。つまり、このシステムを使えば、画像、音声、データ等、種類の異なる大量の情報を、1本の回線で同時に伝送することが可能になり、光ファイバを有効に利用することができます。そして、これを実現するために不可欠なのが、複数の近接した波長の光信号を「合波」して1本の光ファイバに送り込み、また、この合波して送られてきた複数の光信号を、波長ごとに「分波」するための装置、すなわち光合分波器です。光合分波器には、いくつかの種類がありますが、当社では、量産性に優れ、また多チャンネル化への対応が容易な導波路型に取り組んでいます。