2000年 旧 日立電線ニュースリリース

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廃電線の回収ネットワーク・リサイクルシステムを確立

 このたび当社は、國長金属株式会社(社長:岸 治彌 以下、「國長金属」といいます。)および日立電線エフエム株式会社(社長:池田忠禧 以下、「日立電線エフエム」といいます。)の全面協力を得て、日本国内の産業(土木建設)分野における使用済み廃電線の全国回収ネットワークを確立するとともに、回収した廃電線の構成材料を高精度に分別し、電線・ケーブルへのリサイクルやその他のリサイクル製品の開発および製造販売体制を含めたリサイクルシステムも確立しました。

 近年、官公庁の施設を中心に環境配慮型ケーブルの採用が増加していますが、それに呼応して、従来型のPVC(塩化ビニル)を使用した廃電線の回収と処理の問題がクローズアップされています。とりわけ、電線・ケーブルの一部ユーザーからは、使用済み廃電線を、電線メーカーが回収・再利用するシステムを構築するよう、強いご要望をいただいていました。
 そこで、このたび当社では、このご要望に対応するため、非鉄金属流通業界では老舗大手の國長金属と、今後日立電線グループの環境ビジネスの中核会社とすることを計画している日立電線エフエムの両社の協力を得て、使用済み廃電線の国内全域にまたがる回収ネットワーク及びリサイクルシステムを構築したものです。

 今回構築した回収ネットワークの特長は、下記のとおりです。

(1) 回収方法

 各建設工事現場に廃電線回収用の専用通い箱を設置し、國長金属および同社の全国 ネットワークを駆使して回収します。また、通い箱がなくても直接引取りに伺うことも可能です。なお、ビル等の解体現場における廃電線についても積極的に回収させていただきます。

(2) 分別方法

 回収した廃電線は、國長金属または日立電線エフエムで導体、絶縁体、シース材料などに分別します。
 プラスチックの分別方法としては、従来から使用している水流や風を利用した比重分別方式の他に、今回新たに「静電分別方式」の採用を予定しています。

<静電分別方式とは>

 2~3種類のプラスチックを攪拌すると、それぞれプラスマイナスに静電気が帯電します。この帯電度合いを利用してポリエチレン(PE)、エコ材料耐燃性ポリエチレン(エコPE)、塩化ビニル(PVC)の3種類を高い精度で分別するのが静電分別方式です。従来の比重分別方式では、エコPE(比重1.1~1.4)とPVC(比重1.3~1.4)の分別が不可能でしたが、この静電分別方式を用いることで、分別が可能になりました。

(3) 再利用について

 分別した廃電線構成材料は、下記のように再利用されます。
 銅導体→100%電線ケーブルの導体として再利用。
 プラスチック類については、日立電線エフエムが主体となって、電線・ケーブルの被覆材料としての再利用は勿論、それ以外のリサイクル製品への用途を広げるよう積極的に開拓を進めています。

<電線・ケーブル以外のリサイクル製品例>

 ポリエチレン→ゴミ箱、ゴルフ場の杭、パレットなど(マテリアルリサイクル)
 PVC→道路の舗装材料、パドックの床、マットなど(マテリアルリサイクル)
 ポリエチレンや架橋ポリエチレン→燃料(サーマルリサイクル)

 当社では、今回の廃電線回収ネットワーク・リサイクルシステムの構築により、電線・ケーブルの製造販売から回収・リサイクルまで、一貫して当社グループで行う効率的なシステムを活用し、資源有効活用を図り、循環型社会への移行を電線メーカーの立場からリードしていく方針です。

 國長金属は、過去40年にわたり廃電線の回収・リサイクル部門の拡充に傾注し、1999年度の同事業部門売上高は、約95億円に達しています。今回の日立電線との共同ネットワーク構築により、同事業部門の売上高は、20%増加することを予想しています。

 日立電線エフエムは、合併(後記参照)後も、環境リサイクルビジネスを積極的に展開する方針です。同社内で分別処理を行い、廃電線をポリエチレンや塩化ビニルなどの再生プラスチックへ精製します。再生プラスチックとそのリサイクル製品の製造販売事業を今後拡大し、2000年度には同事業の売上高を現状より20%増加させ、約12億円を目指します。

<國長金属の概要>

会社名 國長金属(くにおさ・4)鵑召伊株式会社
所在地 東京都江東区
資本金 2000万円
設立年月日 昭和28年3月10日
事業内容 鉄鋼・非鉄金属・電線・伸銅品の売買、鉄鋼・非鉄金属の再生製造加工および塩化ビニル・プラスチックの再生処理加工・販売。産業廃棄物中間処理処分業および産業廃棄物収集運搬業。

 非鉄金属流通業界の老舗大手であり、銅地金・銅スクラップ並びに銅製品(電線・伸銅品)等の国内外販売によって1999年度のグループ売上高は約290億円となっている。

<日立電線エフエムの概要>

会社名 日立電線エフエム株式会社
所在地 茨城県日立市
資本金 1億2000万円

 同社は、7月1日付けで日立電線ポリテック(株)と合併し、社名を日立電線メクテック(株)に変更する予定です。今後、同社では合併によって、日立電線グループにおけるエレクトロニクス周辺事業の充実及び環境関連業務の集約化をめざします。

以上