1999年 旧 日立電線ニュースリリース
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汎用の電子機器用電線を全面的に非鉛化
このたび当社は、電子機器用電線として広く使用されている、UL・CSA規格耐熱ビニル電線、照射ビニル電線(耐熱度80℃から105℃級)について、この10月中旬から鉛化合物を含まない非鉛品に順次切り替え、来年(2000年)3月までには全面的に非鉛品に切り替えることとしました。
環境配慮型の電線・ケーブルの開発・製品化は、ハロゲン物質(塩化ビニル)を使用しないタイプ(=ノンハロゲンタイプ、当社の「エコグリーン(R)電線・ケーブル」シリーズ)と塩化ビニルの鉛化合物を取り除いたタイプ(=非鉛ビニルタイプ)の2つで進められていますが、非鉛ビニルタイプは、顧客からの要望が増えており、今回の全面切替えは、このような市場のニーズに対応するものです。
最近の社会的な環境意識の高まりのなかで、電線・ケーブルについても環境に配慮した製品の開発が進められています。電線・ケーブルの絶縁材料として広く使用されている従来の塩化ビニル(以下、ビニルといいます。)には、安定剤として鉛化合物が少量含まれており、電線・ケーブルの廃棄時に埋立て処理された場合、土壌汚染や地下水汚染の原因となる可能性がありました。このような問題に対処するため、当社でも1997年7月には、自動車用電線において非鉛ビニル電線を製品化しています。
一方、市場においても、非鉛タイプは、ノンハロゲンタイプのものと比較すると安価で、かつ、既存の加工ラインがそのまま使える等の長所を持っていることに加え、2000年3月までには全製品を非鉛化することを宣言する大手電子機器メーカーや事務機器メーカーが出てくるなど、このタイプの製品を採用する動きが急速に進んできておりました。
そこで、今回、電子機器用電線でも、在庫販売している品目を中心に、10月中旬出荷分より、順次非鉛ビニル電線に切替えを進め、日本国内においては2000年3月までには全面的に切替えを完了することにしたものです。
(主要製品は、耐熱ビニルワイヤがUL1007、UL1015、UL1095、UL1032等で、照射ビニルワイヤがUL1429、UL1430、UL1571、UL1672等です。)
さらに、上記の大手電子機器メーカーや事務機器メーカーでは、海外の事業所で生産する製品についても、非鉛化することを計画しております。当社は、機器用電線の海外生産拠点として、アジア地区にヒタチ・ケーブル・シンガポール社、ヒタチ・バンコク・ケーブル社、日立信電電線有限公司の3拠点がありますが、それぞれの地区にある日系顧客の要望に応えられるよう順次製品を切り替え、同業他社に先駆けて2000年9月までには全ての拠点で耐熱ビニル電線を非鉛ビニル化する予定です。さらに、電源コードについても、すでに日本のみでなく海外拠点でも非鉛ビニル化の開発を完了しており、ユーザーから要請があれば量産できる体制を整えています。
今後当社は、環境に配慮した生産活動が求められる中で、非鉛ビニル電線とノンハロゲンタイプのエコグリーン(R)電線・ケーブルをこの分野の二つの柱として、事業展開をしていく所存です。
* | 非鉛ビニル製品は、荷札と製品の表面表示に非鉛を示す略号「LF」(LF= Lead Freeの意)を表示することによって、従来品と識別いたします |