1998年 旧 日立電線ニュースリリース

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梱包面を含めて、環境配慮型LAN用ケーブルを拡充

 このたび当社は、ハロゲン物質を一切使用しない環境配慮型製品「エコグリーン(R)電線・ケーブルシリーズ」(以下「エコグリーン(R)シリーズ」という。)として、汎用塩化ビニルシースケーブルと同程度の難燃性を有した、新しいLAN用ツイストペアケーブルの発売を開始しました。また、今回LANケーブルの梱包箱に関して、プラスチック材料部品を一切使用せず、かつケーブルの引出性も向上させた綾巻き* 梱包箱(名称LAN-蘭BOX)を独自開発し、これを使用した納入も合わせて開始し、国内の業界では初めて、梱包面も含めた環境対策を施すことにいたしました。
 当社は、これまでもオフィスビル等の配線で使用頻度の高いLAN用ツイストペアケーブルに関して、難燃性と燃焼時のガス発生の問題にいち早く対応してきました。そして2年前には、業界で初めて、縦系配線(異なる階にまたがる配線)ケーブルとしてJIS C 3521に適合した難燃効果を持ち、かつハロゲン物質を含有しないLANケーブルNH-HUTP5を開発、現在も「エコグリーン(R)シリーズ」の一つとして製造販売しております。
 しかし、最近では、同一フロア内での配線である横系配線においても、環境への影響を配慮して、ハロゲン物質を含有しない難燃ケーブルを求めるお客様の要望が強くなってきました。そこで、今回当社では、従来の横系配線で使われてきた汎用塩化ビニルケーブルと同程度の難燃性を有し、かつハロゲン物質を含有しないLANケーブルを開発し、「エコグリーン(R)シリーズ」のラインナップに加えたものです。このケーブルは、絶縁体にはポリエチレンを、シースの材料には耐燃性ポリオレフィンを用いることにより、燃焼時にハロゲンガスやダイオキシン等を発生させることなく、JIS C 3005(汎用塩化ビニルシースケーブルに適用される基準)に規定される難燃効果を実現しました。さらに、難燃ケーブルにありがちな黒色系統の配色だけでなく、従来の塩化ビニルシースケーブルと同様に各種の配色が可能です。
 また、今回開発された梱包箱は、従来プラスチック材料でできていたケーブル取出し口部品を、当社が独自開発した再利用可能な紙パルプを材料とするモールド部品に変更したものです。これにより、廃却時には、箱本体と取出し口をわざわざ分別する必要がなくなったうえに、口寸法を従来のプラスチック製部品に比べ大きくしたため、布設時にケーブルが引っ掛かる等の問題も解消することができます。

 「エコグリーン(R)シリーズ」の製品価格は、それらに使用される被覆材が特殊なものであることもあり、従来のハロゲン物質を使用した一般の電線・ケーブルと比較して高くならざるを得ませんが、今回販売開始をしたLANケーブルについては、縦系配線対応ケーブルほど高いレベルの難燃性を要求されないことから、価格レベルの上昇も、小さくおさえることができる予定です。また、梱包箱に関しましては、取出し口の変更による価格アップはありません。
 当社では、環境配慮の観点から、今後はLAN用ケーブルと梱包箱について、「エコグリーン(R)シリーズ」への切り替えを積極的に進めていく予定です。
 なお、LANケーブルの伝送特性については、これまでの最高レベルである「カテゴリー5」では、容量不足であり、来年早々には「カテゴリー5」を上回る「エンハンストカテゴリー5」の標準化が予想されています。当社では、これまで販売してきたHUTP5ケーブルで、価格アップすることなく「エンハンストカテゴリー5」に対応していく予定です。

* エコグリーン(R)は当社の登録商標です。
* 八の字に巻いてあり、ケーブルを取り出す時にねじれがおきない巻き方
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  • 梱包された製品写真