1997年 旧 日立電線ニュースリリース
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エスカレーター用の抗菌ハンドレールを開発
当社はこのたび、(株)日立製作所と共同で、抗菌性を有したエスカレーター用ハンドレールを国内で初めて開発いたしました。
ハンドレールの一般的な構造は図1ハンドレール断面図のとおりですが、今回開発した抗菌ハンドレールは、その表面を覆う化粧ゴムの中に、特殊化合物(抗菌剤)が含有されているため、ハンドレールの表面に付着した細菌類は、抗菌剤の働きにより細胞膜が破壊され、不活性化されることになります。図3に示すとおり、大腸菌等のゴム表面への接触試験では、付着後24時間経過時の減菌率が、非抗菌性のものではゼロであるのに対し、この抗菌ハンドレールでは、ほぼ100%になることが確認されています。
最近、抗生物質等に抵抗性を有したメチシリン耐性黄色ブドウ状球菌(MRSA)による病院での院内感染などが社会問題化しておりますが、当社ではエスカレーター用のハンドレールにつきましても、今後は抗菌性の要求が高まってくるものと予想しており、特に医療機関、駅舎、デパート等公共の施設に設置されているエスカレーター用等としての需要が見込まれています。
当社は、電線・ケーブル製造技術をベースにしたゴム製品の加工技術を用いて、昭和30年代の半ばからエスカレーター用ハンドレールの製造を手掛けており、多数の納入実績を有しています。また、宣伝媒体として利用することを目的にした模様入りハンドレールなど、顧客の要望に応じた多様な製品にも実績があります。この抗菌ハンドレールについても、その優れた特長を十分に発揮させるため、その普及に努めていきたいと考えております。
図1 ハンドレール断面図
図2 抗菌性評価方法(ドロップ法)
図3 抗菌性の評価結果