1996年 旧 日立電線ニュースリリース
このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
多対ノンハロゲン高難燃LAN用ケーブル
及びLAN用アンダーカーペットケーブルを販売
当社は、このたび優れたノンハロゲン難燃性と高速信号伝送性能を兼ね備えた多対(ツイストペア)LAN用ケーブルと、新構造のアンダーカーペットケーブルを新たに開発し、その販売を開始しました。
近年、LANの高速化に伴い、EIA/TIA568A規格やISO/IEC11801というカテゴリー5* で規定されるような高速度のデジタル信号(10~100Mbps)が伝送可能なメタルの多対ケーブルが求められています。これらのケーブルは、一般にオフィス等の屋内に布設されることが通常であるため、ケーブル自体が高い難燃性と耐腐腐蝕性を有し、かつ有毒性ガスを発生させない構造を有していることが必要です。
しかし、これまで高速信号を伝送する多対ケーブルの絶縁体には、一般的に誘電率の低いポリエチレンが使用されておりますが、このポリエチレンは可燃性であり、それを補うためには難燃テープ等の補助手段が必要になるという欠点がありました。一方、難燃性の高い絶縁体として用いられているノンハロゲン難燃ポリオレフィン材料は、誘電率が大きく高速伝送用材料には適しておりません。このため通信用ケーブルにおいて難燃性と信号の伝送性能とは相反する特性であるというのが通常で、特に25対ケーブル等の多対ケーブルにおいては、両者を充分に満足させつつガスの発生を抑制することが、至難なことでありました。
このため当社では、従来からこの問題に取り組み、検討を重ねてきた結果、ノンハロゲン難燃性を有し、かつ低誘電率で電気特性にも優れた芳香族系ノンハロゲン難燃ポリマ組成物を独自に開発するとともに、これを絶縁体に採用することによって、高い難燃性を有する100Mbps対応の25対LAN用ケーブルの開発に成功しました。ノンハロゲンの難燃ケーブルで製品化されているのは、本製品が初めてのものです。
また、同時に当社が開発・発売したアンダーカーペットケーブルは、カテゴリー5に規定された高速のデジタル信号に対応し、厳しい電気特性上の要求を満たすとともに、カーペットの下に配線するという特殊な施工条件に適した機能を有しています。その特長としては、
(1) 幅方向への曲げが容易なため、ケーブルのシースに切り込みを入れる必要がなく、布設時の作業性が高まりました。
(2) 従来のケーブルではモジュラープラグを取り付けるために、シース等の加工が必要でしたが、この新ケーブルはそのままの状態でプラグを取り付けることが可能です。
(3) ケーブルは、各対シースを接合した構造になっているため、対ごとの分割が手作業で行え、ニッパ、カッター等の工具が不要です。
両製品ともビル、オフィス内配線用としての特長を生かし、幅広く普及することが期待されています。
* | カテゴリー5 カテゴリーとはデータの伝送速度を表すもので、カテゴリー5の場合は100MHzまでの音声及び画像または信号の伝送のことをいう。 |
多対ノンハロゲン高難燃LAN用ケーブル
電気特性 | 静電容量(nF/Km) | 規格値:56≧ |
---|---|---|
伝送損失(dB/100m) | 10Mhz規格値:6.5≧ | |
100Mhz規格値:22≧ | ||
特性インピーダンス(Ω) | 規格値:100±15 | |
近端漏話減衰量(dB) | 32≦ | |
難 燃 性 | 垂直トレイ燃焼試験 | (JIS C3521またはIEEE.Std.383)に合格 |
ハロゲンガス発生量 | 無 | |
材料 | 難燃性 低誘電率材料 | HFP(Hitachi High-Performance Halogen-Free Polymer) |
LAN用アンダーカーペットケーブル
構成 | 導体経0.5mm |
---|---|
対数 | 4対 |
ケーブル寸法 | 厚さ 2.2mm 幅 9mm |