1995年 旧 日立電線ニュースリリース
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AT&T-SSI社殿へ今月中にも光海底ケーブルを初出荷
-1回のケーブル船積み量としては世界最高記録-
当社は、米国の大手電話会社AT&Tグループの海底通信ケーブル建設保守であるAT&Tサブマリン・システムズ社(略称:AT&T-SSI社)殿への光海底ケーブル初出荷に向けて、現在、同ケーブルの船積みを行っています。これは、同社と当社が平成4年末に締結した長期供給契約に基づくもので、第5次太平洋横断プロジェクト(略称:TPC-5)に使用されるものです。
TPC-5は、米国のオレゴン州-カリフォルニア州-ハワイ-グアム-宮崎-二宮-オレゴン州の約25,000kmをループ状につなぐ一大プロジェクトで、これには"SL2000"という新しい光海底ケーブルシステムが使われることになっています。従来、光信号を増幅する際には、光信号をいったん電気信号に変換し、これを増幅した後で再び光信号に変換していましたが、この新システムは、光アンプで光信号のまま増幅できるのが特徴です。このシステムに使用される光海底ケーブルは、4本の光ファイバから構成されていますが、このうち通常使われているのは2本で、残りの2本は万一に備えたスペアとなっています。1対の光ファイバの伝送容量は5ギガビットで、これは約32万回線分の電話を同時に通話できる量に相当します。
今回初出荷となるのは、当社が平成5年5月に受注したTPC-5の南ルート(カリフォルニア州-ハワイ-グアム-宮崎間)の一部に使われる光海底ケーブルです。当社では、「みなと工場」(茨城県日立市)内に光海底ケーブルの専用ラインを設置し、昨年2月から本年3月にかけて、AT&Tベル研究所殿の仕様に従い、本ケーブルのフル生産を行ってきました。ケーブルの全長は、約6,700kmになりますが、当社はこれを超長尺一条のケーブルに仕上げて同社に納入することになります。なお、今回のケーブル長及びケーブル重量(約6,000トン)は、一回の船積み量としては、世界最高記録となります。
AT&T-SSI社のケーブル敷設船「ロング・ラインズ(LONG LINES)号」への船積みは、本年4月中旬から、「みなと工場」専用岸壁において行われていますが、ケーブルが超長尺のため、船積みには約45日を要します。船積み終了後、同船は、ケーブル敷設現場に向かい、6月から敷設を開始する予定です。なお、TPC-5の南ルートは、本年末に供給開始の予定で、全ループの供用開始は、来年末となる見込みです。
当社では、今回のTPC-5に引き続き、AT&T-SSI社より日本、韓国及び東南アジア諸国を結ぶAPCN(Asia Pacific Cable Network)プロジェクトの一部約3,000kmの光海底ケーブルを受注しており、本年秋の出荷に向け、現在、鋭意生産中です。
以上