2006年 旧 日立電線ニュースリリース

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このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

銅合金条の製造設備の能力を増強

 日立電線株式会社は、伸銅品の生産拠点である土浦工場において2006年10月の稼動を目処に、半導体リードフレーム、コネクタ等のエレクトロニクス関連製品に用いられる高強度銅合金条の製造設備の能力を増強することとしましたのでお知らせします。

 当社は銅条事業として、異形条、圧延銅箔、銅合金条に注力しており、銅合金条はさらに「高導電系」と「高強度系」の二つに分類されます。高導電系銅合金としては、純銅にスズを微量添加したHCL-12Sや、ジルコニウムを微量添加したHCL-02Z、C151等をラインアップしており、ディスクリート半導体用リードフレーム向け等を中心に使用されております。また、高強度系銅合金としては、主に鉄を添加したC194シリーズや、ニッケルやシリコンを添加したコルソン系*1銅合金HCL-305、クロムやスズを添加したHCL-64T等をラインアップしており、IC用リードフレームやミニトランジスタ用リードフレーム向けといった、より薄肉化や多ピン化、小型化が要求される製品に使用されております(次ページの【当社銅合金条のラインアップ】参照)。

 近年、半導体デバイスの小型化・薄型化が進展しております。これにともない、半導体デバイスのパッケージ材料であるリードフレーム用の材料に対し、従来にも増して高強度化、薄肉化、高品質化が求められており、高強度系銅合金条のさらなる市場の拡大が見込まれます。本ニーズに対応するため、当社では、土浦工場の銅条製造設備に対して総額約25億円の投資を行うことを決定いたしました。内容は、主に高強度合金条の熱処理に関わる連続焼鈍炉の更新、ベル型焼鈍炉増設等の増強を図る予定です。これにより、銅合金条全体の月当りの生産能力は現在の1,200トンから1,600トン*2となり、約30%の能力アップが図られます。
 また、これまで培ったリードフレーム用銅合金条の開発力・製造技術を活かし、今後益々需要の増加が予想されるコネクタ分野への適用も視野にいれた新たな新合金条*3の開発を完了し、一部生産を開始しております。
当社では、上記高強度合金条の需要増加に対応する供給能力を整備するとともに、お客様のニーズに対応した新合金条の開発を進め、ラインアップをさらに拡充することで、より一層のサービス向上を図ってまいります。

 なお、当社は1月18日(水)から20日(金)で東京ビッグサイトで開催される「プリント配線板EXPO」(インターネプコン・ジャパンとの同時開催)において、このたび開発した新合金条をはじめとした、各種材料を出展する予定です。

*1 コルソン系とは、Ni(ニッケル)、Si(シリコン)を主成分として含有した析出強化型銅合金の名称。
*2 銅条全体では4,600トン/月から5,000トン/月に増強
*3 このたび開発を完了した新合金条は以下の通りです。
HCL-305-H コルソン系銅合金
HCL-307-H コルソン系新合金金
HCL-404  Ni(ニッケル)、Fe(鉄)系新合金

土浦工場の概要

所在地 茨城県土浦市木田余3550
工場長 弓野 茂
従業員数 621名(2005年3月末現在)
敷地面積 552,000m2
建物面積 134,000m2
主な生産品目 銅条、銅管、電気用伸銅品他

参考資料:当社銅合金条のラインアップ

当社銅合金条のラインアップ