2003年 旧 日立電線ニュースリリース
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佐藤教郎 取締役社長就任挨拶
-お客様の満足を追求するグローバル企業を目指す-
今日、当社グループをめぐる環境は誠に厳しく、こうした時期に社長を拝命し、その責任の重大さに身の引き締まる思いがいたします。
ここ数年来、当社グループは、グループ内外での事業再編や各種のコスト削減策を実施してまいりました。しかし、ITバブル崩壊後の市場環境の変化は、予想をはるかに超えて激しいものがあり、これまでの収益向上策を実施しても、未だ赤字の状態が続いております。マイナスのスパイラルを断ち切り、復活を遂げるために、受注目標やコスト削減策をはじめとする様々な目標を必達するとともに、負の遺産も思い切って処理して、強固な経営基盤を創り上げていかなければなりません。私は、今年が勝負の年であると認識しております。
今後重点的に取り組んでいくテーマとしては、まず、「事業の選択と集中によるグローバル競争力の強化」があります。当社グループの競合関係も、競争の舞台も、日本国内からグローバルマーケットに名実共に移ってきています。一方、当社グループの経営資源は限られておりますから、分散して投資していたのでは、投資効率は上がらず、十分な収益を確保することはできません。勝てる事業に絞り込み集中投資することが不可欠であり、投下した資本の回収の見込みがない事業については、撤退せざるを得ないと考えています。
こうした選択と集中を進めたうえで、Tビジネス(従来製品分野)は基盤事業として収益力を強化し、Eビジネス(情報・エレクトロニクス製品分野)は成長の原動力として育てることにより、両者をバランス良く運営し、当社グループをグローバル競争に勝ち抜いていける事業の集合体に変えていく考えです。
次に、グローバル競争に勝ち抜くための、「物づくり」と、その基本となる「人づくり」についてであります。現在、短納期、少ロット対応への要求はますます強くなっており、お客様の満足を追求するためには、より効率的で柔軟な生産体制を構築しながら、もう一度、品質という物づくりの原点に立ち返ることが肝要と考えます。各部門が一体となって製品を作り込むとともに、作業量の変動に対応して人員を機動的にシフトすることが重要になります。マルチオペレーター化を推進することはもちろん、エンジニアも営業も管理スタッフもマルチ化していき、また、一人ひとりが、担当分野で世界水準を目指して自己革新を続け、難しい問題にも真っ向から取り組んでやり遂げる、「戦える軍団」となることを目指します。
こうした取り組みを通じて、スリム化された強い企業グループに生まれ変わり、事業運営にあたって正道を歩んでいけば、お客様にご満足いただき、社会からも信頼される「キラリと光る"e"企業」となり、また、従業員が誇りに思える、活力に溢れた日立電線グループになることができると確信しています。当社グループの業績の回復と新たな発展に向けて一身を捧げる覚悟でありますので、ご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。
以上