2000年 旧 日立電線ニュースリリース

一覧へ戻る

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。

高圧電力用電線事業に関する包括的事業提携について

 日立電線株式会社(社長 原精二、以下日立電線)と住友電気工業株式会社(社長 岡山紀男、以下住友電工)は、両社の電線事業のコアであるOFケーブル*1 、高圧CVケーブル*2 、ACSR*3 等の高圧電力用電線事業に関し、包括的な事業提携を行うことを目的とし、その実現に向け、両社の担当役員をトップとする委員会を設置し、諸条件の検討に入ることの合意に達しました。

1. 事業提携のねらい

 高圧電力用電線の事業は、国内市場においては、大型プロジェクトの一巡と設備投資抑制により、大幅な設備過剰状況になっています。先行きについても、電力需要の伸びの鈍化により、一段と需要が減少するのは確実であり、しかも、電線の国際調達の本格化により輸入も増加していることから、厳しい状況が続くことが懸念されています。輸出に関しても、欧州・アジア等のメーカーとの競争が激化しています。この結果、高圧電力用電線の事業採算は極めて厳しいものとなっており、各メーカーの自助努力だけでは事業の存続自体が難しくなる懸念も生じています。 一方、欧米の電線業界はここ数年、再編・寡占化が進み、大手メーカーはグローバルな競争力をより一層強化しています。
 このような事業環境を踏まえ、日立電線と住友電工は、高圧電力用電線事業の合理化・効率化を推進し、安定した事業基盤の確立を図るために、広範な事業提携を、今後、検討して参ります。

2. 事業提携の検討内容

 以下の内容を、両社の担当役員をトップとする委員会により検討し、関係官庁、お客様のご理解を頂ける、諸条件が整えば、実施致します。

(1) 品種別の生産集約
両社の高圧電力用電線についての生産集約及び余剰設備の廃棄による事業の効率化
(2) 共同事業会社の設立
最終的には、両社の高圧電力用電線事業についての、両社対等出資による、共同事業会社の設立。

以上

本件に対するお問い合わせ:

日立電線株式会社 総務部法務・広報グループ TEL:03-5252-3261
住友電気工業株式会社 東京総務部総務課 TEL:03-3423-5221
広報室TEL:06-6220-4119

語句説明:

*1OFケーブル(Oil Filled Cable)
 ケーブルの絶縁体として油浸紙を使い、その中に空隙が発生しないよう絶縁油が満たされたケーブルです。外部に設置した油調整タンクによって常に一定の圧力を加え、温度変化等に対応できるようになっています。わが国では500kVまで実用化されており、大容量の送電に適し、都市部の地中送電や海底ケーブルに使用されています。
*2CVケーブル(Crosslinked Polyethylene Polyvinyl Chloride、架橋ポリエチレン絶縁ビニールシースケーブル)
 ケーブルの絶縁体として、ポリエチレンを架橋し分子を網目状構造としてポリエチレンの欠点であった熱軟化性能を大幅に改善した架橋ポリエチレンが使用されています。このケーブルは600V〜500kVの広い電圧範囲で使用されており、ビル・工場の配線や配電線路、都市部の地中送電線路他に広く使用されています。
*3ACSR(Aluminum Conductor Steel Reinforced、鋼心アルミより線)
 中心に亜鉛めっき鋼線をより合わせ、その外側に硬アルミ線をより合わせた、絶縁被覆をしない裸電線です。高い鉄塔に架設される架空送電線に使用されています。