1995年 旧 日立電線ニュースリリース

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中国初の50万ボルトCVケーブルを受注

 このほど当社は、中国の技術進出口総公司殿及び華東電業管理局殿より50万ボルト架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(CVケーブル)、付属品及びその関連工事を受注しました。

 このケーブルは、中国が浙江省安吉縣(太湖の南東部)に建設中の天荒坪(てんこうへい)揚水発電所の引出し用主幹ケーブルとして使用されるものです。天荒坪揚水発電所は、驚異的な経済発展を続ける中国東部の電力需要に対応して、電力供給能力の増強と安定化を目指す大型国家プロジェクトとして建設されているもので、1999年の完成時には発電設備容量2,160MWの中国最大の揚水発電所となります。今回受注したのは、この発電所の地下発電室と地上開閉所を結ぶ約210mの長さのケーブル9本(3回線)で、両端は六フッ化硫黄(SF6)ガス終端接続部で構成されます。

 本件は、入札に付されましたが、入札後の技術評価の結果、従来型の油入り紙絶縁電力ケーブル(OFケーブル)で応札したヨーロッパメーカーと、油を使用しないCVケーブルを提案した当社の2社が最終審査に残りました。最終審査では、本件が中国の威信をかけた重要プロジェクトであることに加えて、今回のケーブルは、高さ100m余の狭隘なエレベータ用地下垂直堅坑部に、中間接続無しで敷設されますが、超高圧CVケーブルで100mを超える垂直敷設の例はこれまでなく、世界でも初めてのケースとなることから、信頼性と防災の両立が最重要ポイントとされました。この結果、OFケーブルでは、最下端で高油圧となる問題があるほか、防災・保守管理面においても、油を使用しないCVケーブルの方が優れていると評価され、また、信頼性の面においても、中国当局から、既に日本で50万ボルトCVケーブルの実績を持つ当社の超高圧技術が高く評価され、当社のCVケーブルの採用が最終決定されたものです。なお、当社では、ケーブルの製造は来年、敷設工事は1997年から99年に行う予定です。

 超高圧CVケーブルの開発と実績は、日本が世界をリードしていますが、日本においても、50万ボルトという超高圧でのCVケーブルについて、数年以上にわたる実使用の実績を複数有するのは、当社のみです。今回のような高低差のあるルートへの超高圧CVケーブルの使用が今後世界的にますます増大するものと予想されていますが、当社では、これを機に、この分野の技術を最大限に生かした戦略的受注活動を積極的に展開していく考えです。

以上