1992年 旧 日立電線ニュースリリース

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コーニング社と光ファイバジャイロ用ファイバで提携

 このほど当社は、一般産業用・自動車用の光ファイバジャイロ(Fiber Optic Gyroscope、略称:FOG)に使用する光ファイバについて、米国のコーニング社と提携することに合意し、安価で量産性に優れた偏並面保存光ファイバ(Polarization Maintaining Fiber、略称:PMF)の供給面で、同社の協力を得ることとしました。

 FOGは、多重ループ状の光ファイバ内を両回りする光の干渉を利用する回転角速度センサであるため、これに用いる光ファイバには、PMFという特殊なシングルモード光ファイバが使用されています。しかし、従来の、コアに異方性応力を付加するPMFは、当社の楕円ジャケット型を含め、量産性とコストの面で、課題を残しておりました。そこで、当社は、昨年来、コーニング社と共同で、安価で量産性に優れた高性能のPMFの開発に取り組み、従来の楕円ジャケット型に代えて、コアを楕円形にした楕円コア型を用いることで、これに成功し、このことが今回の提携につながったものです。

 当社は、昭和55年からPMF、関連光コンポーネント、信号処理技術等のFOG関連の研究開発を進めており、その結果、一般産業分野において既に1,000台以上のFOG納入実績を有し、国内のFOG分野をリードしてきました。さらに、今回の提携により、低価格PMFの供給体制が確立したことになり、今後、需要の急増が見込まれる自動車ナビゲーションシステム用、移動体・アンテナ制御システム用等のFOGの本格的な量産・低コスト化の基本的条件が整ったことになります。

 当社では、既に、これらのFOGの量産ラインの立上げを完了しておりますが、今回の提携を機に、FOGの拡販体制を一層強化し、今後は、国内はもとより、輸出にも注力していく考えです。

以上