1992年 旧 日立電線ニュースリリース

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アドバンスリサーチセンタの新研究棟の建設に着手

 当社では、かねてより、時代の研究開発の拠点となる「アドバンスリサーチセンタ」(ARC)の新研究棟建設計画を進めておりましたが、このほどこれが纏まり、明30日に現地で起工式を行い、いよいよ建設に着手することとなりました。

 新研究棟の建設場所は、筑波研究学園都市から車で約15分と恵まれた研究環境にある、当社土浦工場(茨城県土浦市)の一画です。従来ARCは、日立地区と土浦地区で、テーマ毎に分散して研究を進めてきましたが、筑波・東京地区との情報交流の容易さや研究環境を考慮して、土浦工場内に新研究棟を建設し、1か所に集約することとしたものです。今回は、第1期工事として、約19,000m2の敷地に、4階建(延床面積6,200m2)の新研究棟及び機械棟などの付属設備一式が建設されます。第1期工事の総建設費は、研究設備・付属設備を含め約50億円で、平成5年8月に完成する予定です。

 昨年7月、当社では、(株)日立製作所からの分離独立35周年を迎えたのを機会に、21世紀をにらんだ研究開発機能を念頭において、研究開発機能を念頭において、研究開発体制を再編成しました。即ち、従来の電線研究所、金属研究所の2研究所体制を、パワーシステム研究所、オプトロシステム研究所、システムマテリアル研究所及びARCの4研究所体制に改編しました。ARCを除く3研究所が、工場や事業部を直接支援する"ディビジョンラボラトリー"として、主にユーザーニーズに即応した足元の研究を行うのに対し、ARCは、研究開発目標を未来に置き、ユーザーニーズを先取りした革新的な新技術・新製品を研究開発する"コーポレートラボラトリー"の性格を有しています。

 ARCの主な研究テーマは、高温超電導体、フォトニクス、化合物半導体などの材料・加工技術及び素子等です。これらの研究開発には、高純度複合材や薄膜・微細加工技術などが共通したキー技術として不可欠です。

 そこで、新研究棟では、将来にわたってこれらキー技術への対応が容易となるよう、1・2階をクリーンルーム仕様の研究室とし、必要なユーティリティーを別棟の機械棟に配置することとしました。また、研究スタッフや管理部門のオフィスは3階に置き、生活空間としての機能を充実するとともに、当社の最新のネットワーク技術を導入して、効率よい研究設備の管理・監視ができるようになっています。なお、4階は一般の研究室として使用する予定です。

 新研究棟完成後は、当面約60人の研究スタッフが前記のキー技術を中心に創造的な研究開発を進め、その成果を3研究所及び各工場に、順次、技術移管することにより、当社の使命であるエネルギーと情報のネットワーク分野における新たな事業展開に対応していく所存です。なお、将来は、研究スタッフを100人程度まで増員し、ARCを当社の明日を担う新製品・新技術開発の拠点としていく予定です。

ARCの概要

所在地 茨城県土浦市木田余3550番地
(今回の建設場所と同じ)
センタ長 取締役 星野弘之
人員 約40名(平成4年7月現在)
電話番号 (0294)22−2111

以上