当社は、英国・BICCケーブルズ社(BICC社)との間で、超高圧対応の架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル(CVケーブル)製造技術供与契約を締結しました。

　CVケーブルは、従来の油入り紙絶縁電力ケーブル(OFケーブル)に比べ、保守管理面、防災面、送電能力面などの点で優れた特長を有しており、高電圧系統にもOFケーブルに代わって使用される傾向が世界的に強まっています。 　こうした背景の下に当社は、これまでユーザーである各電力会社殿と共同で、超高圧分野での信頼性の高いCVケーブル系統の実現につき鋭意研究開発を進めてきました結果、昭和54年に275kVCVケーブルを、また、昭和62年には500kVCVケーブルをそれぞれ実線路に世界で初めて適用したのを始め、平成元年からは275kV長距離地中送電線路へのCVケーブル適用を世界で初めて果たす等、この分野においては常に世界をリードしてきました。

　一方、BICC社は、OFケーブルに関しては525kVまでの実績を持っていますが、英国内の超高圧CVケーブルの要請や今後の電力ケーブルの技術動向等を勘案した結果、超高圧CVケーブル製造技術の早期確立が不可欠であると判断し、一昨年より、欧州、日本のCVケーブルに関する技術レベルを広範かつ詳細に調査し、総合的な評価を行ってきました。その結果、最終的に、500kVCVケーブルの実績を有する、世界で唯一のメーカーである当社と今回契約を締結することになったものです。

　今回当社がBICC社に供与するのは、架橋ポリエチレンのガス架橋技術・材料技術、品質管理を含むCVケーブルの総合製造技術です。また、これと併せて、当社は、CVケーブル製造プラント一式(堅型連続押出ガス架橋ライン設備、超高純度架橋ポリエチレン絶縁体混練設備等)を供給することとなっており、現在製作を進めています。同プラントは、本年7月初旬に英国に向けて船積出荷される予定で、来年半ばには、稼働可能となる予定です。

　世界で最も伝統のある電線メーカーであるBICC社への今回の技術供与は、当社にとって大変意義深いもので、これを機会に電力ケーブルのみならず、他分野においても同社との一層緊密な関係を構築したいと考えています。

ご参考

BICC社の概要

会社名	BICC　Cable Limited (BICC plc グループの中核企業の一つ)
本社所在地	Heronsway,Chester Business Park, Wrexham Road,Chester
代表者	Mr.Eric Clark
売上高	933百万ポンド(1991年度) (1ポンド＝230円で換算して約2,146億円)
従業員数	9,722人